ここまでのSTEPでは、リードの獲得に重点をおき、反応があったリードをそのまま送客しており、リードの質を高めるために必要な活動であるリードナーチャリングのことを触れない運用を案内してきました。
なぜここまでリードナーチャリングのことを触れなかったのでしょうか。
それは、SMPでリードナーチャリングの効果を上げるために、一定数以上の保有リードを確保する必要あったためです。
ここからは、リードナーチャリングの考えを取り入れて、リード獲得後すぐに商談につながらない場合でも諦めることなく、興味を持ってくれたリードとの関係を継続していくことで、長期的なビジネスチャンスにつなげていきましょう。
目次
01こんな課題に直面していませんか?
ここまでのSTEPでご案内してきた内容を実践してきた方はすでにお気づきかもしれませんが、新規リードを獲得することは、マーケティングにおいて重要なステップの1つです。
しかし、すべてのリードがすぐに商談につながるわけではありません。
獲得したリードをそのまま営業部門へ送客している場合、送客したリードが商談や受注に繋がりにくい という課題に直面し悩んでいるのでないかと思います。
このフェーズでは、興味を持ってくれたリードと継続的に関係性を築いていく方法、送客の質を改善する方法についてご案内していきます。
図1.送客リードの課題 |
02リード育成を取り入れたモデルの流れ
前章でもお伝えしましたが、すべてのリードがすぐに商談につながるわけではありません。
リード獲得後、顧客のニーズに合わせた情報提供を継続的に行ったり、接点を持ち続けることで、興味・関心度をあげ、購買意欲を高めていく仕掛けが必要になります。
ここでは「認知・拡大」「リード獲得」2工程に加えて、「リード育成」工程に重点をおき、
具体的に、以下図のように「リード育成」工程で、獲得したリードを「受注確度の高い状態」まで育成し、選別した上で送客します。
リードの成長の流れを組み立て、リードにタイミングよく施策や支援を提供できる状態にします。
図2.リード育成の運用イメージ |
03送客したリードの受注率が低い理由は何か
受注率が低い原因は、「リードの質が低い」「競合他社の影響」「セールスプロセス課題」等、複数考えられますが、本章では、「リードの質が悪い」原因に対する対策についてご案内します。
リードの質が悪い原因は、リードが購買するまでのストーリー設計がないためです。
リードが商品やサービスを購入する際、最初に問題意識を持ち(認知)、商品・サービスを知り・興味を持ち(興味・関心)、比較検討をした結果(比較・検討)、購入する(アポイント・商談)といったストーリーを辿ります。
そうした流れに合わせて、顧客が必要な情報や支援を段階的に行っていくことで、顧客が購入の意思をよりを高めた状態で送客を行える状況にする必要があります。
図3.顧客の購買の流れを理解した、段階的な支援が重要 |
04リードの質を上げるための基本戦略
すべてのリードがすぐに商談につながるわけではありません。
リード獲得後、顧客のニーズに合わせた情報提供を継続的に行ったり、接点を持ち続けることで、興味・関心度をあげ、購買意欲を高めていく仕掛けが必要になります。
基本戦略は、顧客の購買ストーリーを作る。アプローチシナリオをSMPで運用する。育成が開始されたら再度、リード獲得に力を入れる。の3つです。具体的に見ていきましょう。
図4.本フェーズで実行する要素と順番 |
05購入ストーリーってどう設計すればよい?
本フェーズでは、カスタマージャーニー マップを利用し、ストーリーの設計を行います。
カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品・サービスを知り、興味を持ち、購入するまでの行動ステップをマップ化したものです。
作成にあたりまずはじめにターゲットを明確にする必要があります。
その上で、顧客がどのステップでどのような情報を必要とするかを把握し、それに合わせたアクションシナリオを設計していきます。
図5.購買ストーリー作成の流れ |
①顧客ペルソナ の設計
カスタマージャーニーマップは自社に都合の良いものでなく、顧客にとって都合の良いものである必要があります。
あくまでもこのストーリーの「主人公」はリード・お客様であることが前提です。
この工程では、顧客が商品やサービスを知るきっかけ、商品やサービスに興味を持つステップ、購入を決めるステップなど、顧客の購買プロセスを明確に把握します。
検討がつかない場合は、既存データの収集も行い、顧客像を明確にしていきます。
図6.設計するペルソナ例 |
②カスタマージャーニーマップの検討
ペルソナ設計で明確にした顧客像を基に、購買プロセスの各ステップにおいて、顧客がどのような情報を求め、どのようなアクションを取るのかを洗い出し、お客様に歩んでいただきたいプロセスをマップ上で明確にします。
図7.ジャーニーマップ例 |
③アクションの設計・設定
カスタマージャーニーマップでお客様に歩んでいただきたいプロセスを描けたら、具体的なアクションシナリオを設計していきます。
設計したプロセスをお客様が歩めるように、各工程ごとにどういったアクション・行動喚起を行っていけばよいか設計します。
最後に、ここまでの設計要素をSMPに設定していきます。
具体的なアクションシナリオは、システムで実行できるもの、人の手で行うものの2種類ありますが、SMPはそうしたシステムで実行できる業務を自動で行います。
皆さんの運用負荷を大きく軽減させ、なおかつ顧客にとって都合の良い行動を自動で促し続けてくれます。
図8.アプローチシナリオ設計例 |
06育成のプロセスが出来たら改めてリード獲得を
リード育成のプロセスの運用が開始されで効果が出始めると、送客するリードの数が足りなくなるという問題が発生します。
これは、商談見込みの高いリードのみを営業部門へ送客することで、送客数の絶対数が足りなくなるためです。
図9.リードを選別する分、送客できるリード数が減る |
そのため、 フェーズ2 でターゲットとしていた、「明確層」「顕在層」獲得に留まらず、「準顕在層」「潜在層」の獲得にも重点を置いて対策を行う必要があります。
例えば、貴社が複数の商材を持つ企業だった場合「あの◯◯(商材名)の会社さんね」という認知から、自分たちの購入していただきたい商材へどういう流れでつなげるのか、「もしかするとAという商材よりもBという商材の方がこの方には向いているぞ」という自社の中でのニーズに合わせた対応の流れなどなども検討の要素です。
図10.獲得ターゲット層を潜在層まで拡張する |
07運用を開始したら成果の測定を
ここまで記事を読み進めてきた皆さんであれば当たり前でしょ、と思うかもしれませんが、本フェーズでも成果の測定が重要になります。
「階段のどこにどのくらいのリードがいるのか」「それぞれの階段の通過率はどのくらいなのか」等
運用を開始したあとは成果の測定を行い、ボトルネックポイントを見つけて改善を行いましょう。
図11.ステップ毎の滞留数・遷移数、離脱数を測定しPDCAをする |
08まとめ
本章ではこれからのステップで行うべき要素の概要を案内しました。
次のステップからは具体的なリードの購買ストーリーの作り方を案内していきます。
|