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  • ここまでのSTEPでは、リードの獲得に重点をおき、反応があったリードをそのまま送客しており、リードの質を高めるために必要な活動であるリードナーチャリングのことを触れない運用を案内してきました。

    なぜここまでリードナーチャリングのことを触れなかったのでしょうか。
    それは、SMPでリードナーチャリングの効果を上げるために、一定数以上の保有リードを確保する必要あったためです。

    ここからは、リードナーチャリングの考えを取り入れて、リード獲得後すぐに商談につながらない場合でも諦めることなく、興味を持ってくれたリードとの関係を継続していくことで、長期的なビジネスチャンスにつなげていきましょう。

     

    01こんな課題に直面していませんか?

    ここまでのSTEPでご案内してきた内容を実践してきた方はすでにお気づきかもしれませんが、新規リードを獲得することは、マーケティングにおいて重要なステップの1つです。

    しかし、すべてのリードがすぐに商談につながるわけではありません。
    獲得したリードをそのまま営業部門へ送客している場合、送客したリードが商談や受注に繋がりにくい という課題に直面し悩んでいるのでないかと思います。

    このフェーズでは、興味を持ってくれたリードと継続的に関係性を築いていく方法、送客の質を改善する方法についてご案内していきます。

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    図1.送客リードの課題

     

    02リード育成を取り入れたモデルの流れ

    前章でもお伝えしましたが、すべてのリードがすぐに商談につながるわけではありません。

    リード獲得後、顧客のニーズに合わせた情報提供を継続的に行ったり接点を持ち続けることで、興味・関心度をあげ、購買意欲を高めていく仕掛けが必要になります。

    ここでは「認知・拡大」「リード獲得」2工程に加えて、「リード育成」工程に重点をおき、
    具体的に、以下図のように「リード育成」工程で、獲得したリードを「受注確度の高い状態」まで育成し、選別した上で送客します。

    リードの成長の流れを組み立て、リードにタイミングよく施策や支援を提供できる状態にします。

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    図2.リード育成の運用イメージ

     

    03送客したリードの受注率が低い理由は何か

    受注率が低い原因は、「リードの質が低い」「競合他社の影響」「セールスプロセス課題」等、複数考えられますが、本章では、「リードの質が悪い」原因に対する対策についてご案内します。

    リードの質が悪い原因は、リードが購買するまでのストーリー設計がないためです。

    リードが商品やサービスを購入する際、最初に問題意識を持ち(認知)、商品・サービスを知り・興味を持ち(興味・関心)、比較検討をした結果(比較・検討)、購入する(アポイント・商談)といったストーリーを辿ります。

    そうした流れに合わせて、顧客が必要な情報や支援を段階的に行っていくことで、顧客が購入の意思をよりを高めた状態で送客を行える状況にする必要があります。

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    図3.顧客の購買の流れを理解した、段階的な支援が重要

     

    04リードの質を上げるための基本戦略

    すべてのリードがすぐに商談につながるわけではありません。

    リード獲得後、顧客のニーズに合わせた情報提供を継続的に行ったり接点を持ち続けることで、興味・関心度をあげ、購買意欲を高めていく仕掛けが必要になります。

    基本戦略は、顧客の購買ストーリーを作るアプローチシナリオをSMPで運用する育成が開始されたら再度、リード獲得に力を入れる。の3つです。具体的に見ていきましょう。

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    図4.本フェーズで実行する要素と順番

     

    05購入ストーリーってどう設計すればよい?

    本フェーズでは、カスタマージャーニー マップを利用し、ストーリーの設計を行います。

    カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品・サービスを知り、興味を持ち、購入するまでの行動ステップをマップ化したものです。

    作成にあたりまずはじめにターゲットを明確にする必要があります。

    その上で、顧客がどのステップでどのような情報を必要とするかを把握し、それに合わせたアクションシナリオを設計していきます。

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    図5.購買ストーリー作成の流れ

     

    ①顧客ペルソナ の設計

    カスタマージャーニーマップは自社に都合の良いものでなく、顧客にとって都合の良いものである必要があります。
    あくまでもこのストーリーの「主人公」はリード・お客様であることが前提です。

    この工程では、顧客が商品やサービスを知るきっかけ、商品やサービスに興味を持つステップ、購入を決めるステップなど、顧客の購買プロセスを明確に把握します。
    検討がつかない場合は、既存データの収集も行い、顧客像を明確にしていきます。

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    図6.設計するペルソナ例

     

    ②カスタマージャーニーマップの検討

    ペルソナ設計で明確にした顧客像を基に、購買プロセスの各ステップにおいて、顧客がどのような情報を求め、どのようなアクションを取るのかを洗い出し、お客様に歩んでいただきたいプロセスをマップ上で明確にします。

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    図7.ジャーニーマップ例

     

    ③アクションの設計・設定

    カスタマージャーニーマップでお客様に歩んでいただきたいプロセスを描けたら、具体的なアクションシナリオを設計していきます。

    設計したプロセスをお客様が歩めるように、各工程ごとにどういったアクション・行動喚起を行っていけばよいか設計します。

    最後に、ここまでの設計要素をSMPに設定していきます。

    具体的なアクションシナリオは、システムで実行できるもの人の手で行うものの2種類ありますが、SMPはそうしたシステムで実行できる業務を自動で行います。

    皆さんの運用負荷を大きく軽減させ、なおかつ顧客にとって都合の良い行動を自動で促し続けてくれます。

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    図8.アプローチシナリオ設計例

     

    06育成のプロセスが出来たら改めてリード獲得を

    リード育成のプロセスの運用が開始されで効果が出始めると、送客するリードの数が足りなくなるという問題が発生します。

    これは、商談見込みの高いリードのみを営業部門へ送客することで、送客数の絶対数が足りなくなるためです。

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    図9.リードを選別する分、送客できるリード数が減る

     

    そのため、 フェーズ2 でターゲットとしていた、「明確層」「顕在層」獲得に留まらず、「準顕在層」「潜在層」の獲得にも重点を置いて対策を行う必要があります。

    例えば、貴社が複数の商材を持つ企業だった場合「あの◯◯(商材名)の会社さんね」という認知から、自分たちの購入していただきたい商材へどういう流れでつなげるのか、「もしかするとAという商材よりもBという商材の方がこの方には向いているぞ」という自社の中でのニーズに合わせた対応の流れなどなども検討の要素です。

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    図10.獲得ターゲット層を潜在層まで拡張する

     

    07運用を開始したら成果の測定を

    ここまで記事を読み進めてきた皆さんであれば当たり前でしょ、と思うかもしれませんが、本フェーズでも成果の測定が重要になります。

    「階段のどこにどのくらいのリードがいるのか」「それぞれの階段の通過率はどのくらいなのか」等
    運用を開始したあとは成果の測定を行い、ボトルネックポイントを見つけて改善を行いましょう。

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    図11.ステップ毎の滞留数・遷移数、離脱数を測定しPDCAをする

     

    08まとめ

    本章ではこれからのステップで行うべき要素の概要を案内しました。
    次のステップからは具体的なリードの購買ストーリーの作り方を案内していきます。

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    STEP01

    見込み顧客の購買ストーリーを作る

    リードの具体的な人物像や購買ストーリーを作成し、リードの課題や悩みに対して実行すべき要素を検討する方法をご案内します。

    次のステップに進む

     

    はじめに. 送客リードの質向上させるには?

  • 本STEPでは、前記事でお伝えした、質が悪いリードの原因解消に向けて、リードが購買するまでのストーリー設計をカスタマージャーニーマップを利用して行う方法についてご案内します。

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    図1.本STEPで実行する要素

     

    01本STEPで実現すること

    顧客の心情変化を起こす購買ストーリーを作成する

    前回のSTEPでもお伝えしましたが、商品やサービスを購入する際は、まず顧客が問題意識を持つ必要があります(認知)。

    商品やサービスに興味を持ち、関心を抱くようになり(興味・関心)、その後、比較検討を行うことで、最終的に商品やサービスを購入するためのアポイントや商談を行います。

    顧客がこのストーリーに乗れるよう、心情変化を意図的に起こす必要があります。

    具体的に興味を持ってもらうためには、商品やサービスをよく知ってもらう必要があります。
    そして、比較検討をするために、顧客に十分な情報を提供し、商品やサービスの特長やメリットを明確に伝える必要があります。

    最終的に商談をするためには、顧客のニーズを把握し、適切な提案をすることが必要です。

    このように、顧客の心情変化を意図的に起こすストーリーを作成するためには、顧客がどのようなニーズや関心を持っているのかを理解し、それに合わせた情報提供や提案を行うことが重要です。

    本章では、そうした顧客の心情変化を起こすストーリーを作成する方法をご案内します。

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    図2.商談に至る段階にない例

     

    02どうやって進める?

    マーケティングのフェーズに合わせて、リードの状態・行動を分析することが重要です。
    まずは「決裁者」を想定したストーリーを組み立てます。

    このストーリーでは、決裁者がどのような心境で、どのような行動をとるのかを想像しながら、具体的に検討します。

    ストーリー作成は担当者と決裁者それぞれが行うことが望ましいです。
    しかしながら、今回は初めてのストーリー構築を行うため、最も注力するべきペルソナ として決裁者に絞り設計を行います。

    担当者のストーリーは、後のフェーズでインサイドセールスの運用を設計する際に、改めて設計し直すことをオススメします。

    本章では、以下のカスタマージャーニー マップを利用し、このストーリーの設計を行っていきます。

     

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    03ワークの進め方

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    図3.ワークの進め方

     

    3.1 目的・ターゲットを明確にする

    3.1.1 テーマを決める

    まずはじめに、現在の問題点を理解し、目標を設定することが重要です。

    具体的なテーマ(目的)や目標達成の期限を決めて、方向性を明確にしましょう。
    テーマがはっきりしなければ、プロジェクトはうまくいかないことがあるため、この工程は欠かせません。

    検討フォーマット資料をダウンロードし、入力例を参考にしながら、まずはテーマを決めましょう。
    もし、ワークを進めていくうえで迷った場合は、このステップに戻ることをおすすめします。

    • スタート:顧客が抱えている課題を想像してみてください
    • ゴール:製品・サービスの購入や、購入を行う直前の顧客の状態を想像してみてください
    要素 説明
    企業名・部署名

    自社名、自分が所属している部署名

    自社や部署のミッション

    株式会社◯◯ マーケティング部

    ミッション:顧客の創造・顧客LTVの最大化など

    商品・サービス 販売したい商材 クラウド型マーケティングオートメーションツール
    スタート 自社と関わり始める際の顧客の状態
    • マーケティングを行っているが成果が出せず、何を行えば良いのか明確に出来ていない状態
    • ツールの存在は認識しているが、それにより何が解決するのかわかっていない状態
    ゴール 自社との関わりが終わる際の顧客の状態 ツールを導入することで確実に成果をあげられると確信した状態
    期間 スタートからゴールまでの期間 6ヶ月

     

    3.1.2 ペルソナを設定する

    登場人物を設定し深掘りする

    ストーリーを作るためには、登場人物の設定が重要です。
    特に、主人公の性格や行動の傾向を決めておかないと、ストーリーが一貫性のないものになってしまう可能性があります。

    良いストーリーを作るためには、登場人物や世界観の設定など、高品質な情報が必要です。
    このため、決裁者(最終的な決定をする役割)と非決裁者(情報収集をする役割)を登場人物として設定し、彼らの深いキャラクター設定を行うことが重要です。

    記載すべき要素のポイント

    基本情報では、ターゲットの「企業」「個人」の二軸から検討を行います。
    ※実在の企業や人物をペルソナに設定すると、発想が限定されてしまうために避けましょう。

    顧客が商品・サービスを検討する際には、なぜその商品が必要なのか既存の商品・サービスでは不満足な点があるのか、検討しない場合のリスクなどを考えます。
    加えて、顧客の行動パターンや、情報収集に利用するチャネル、なども明確にしましょう。

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    図4.ペルソナ設定イメージ

     

    3.2 見込み顧客の行動を深掘りする

    次に、マーケティングのフェーズに合わせてリードの状態・行動を分析することが重要です。

    まずは、「決裁者」を想定したストーリーを組み立てます。
    このストーリーでは、決裁者がどのような心境でどのような行動をとるかを具体的に検討しましょう。

    ただし、本来ストーリー作成は担当者と決裁者それぞれに対して行うことが望ましいものです。
    今回は初めてのストーリー構築を行うため、最も注力するべきペルソナとして決裁者に絞り設計を行います。
    担当者のストーリーは、後のフェーズでインサイドセールスの運用を設計する際に改めて設計することをオススメします。

     

    3.2.1 ニーズやペインを明確にする

    ここまでに紹介された登場人物たちが行う可能性のある行動について、その際に想定される困難や課題を洗い出していきましょう。

    各フェーズでの行動の目的や意図、そしてそれを実行する際に直面する可能性のある課題や障害について、できる限り詳細に書き出していきましょう。

    自分が主人公になりきるのではなく、「このタイプの人はこう思うだろう」という観点から思いつく限り多くのアイデアを出すことがポイントです。

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    図5.各購買フェーズ毎のニーズやペインの検討例

     

    3.2.2 顧客接点と自社の行動を明確にする

    今回は、これまでに検討してきた要素を基に、自社とリードが関わるポイントを明確にしていきます。

    各フェーズでの接点を洗い出し、その接点を有効に機能させるために自社が行うべきことを検討します。現状で行っている事の他、ここまでのステップ記事を参考に、実行すると良いものも含め洗い出してみましょう。

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    図6.各購買フェーズ毎の施策例

     

    3.2.3 対策を考える(課題や改善ポイントの検討)

    前工程で検討した、理想的な要素と現状の差異を洗い出し、改善ポイントを明確にしていきます。

    現状で満たされていないものを書き出し、どのように改善するかを検討します。

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    図7.各購買府フェーズ毎の課題と改善例

     

     

    3.3 実行可能な状態まで自社の行動を分解する

    3.3.1 各フェーズの指標を定める

    登場人物が、現在どのフェーズにいるかを判断するための基準を明確化しましょう。
    具体的には、分類に使用する指標を定め、事前に設定したアクションを迅速に実行できるようにします。
    指標は具体的かつ測定可能であることが重要です。

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    図8.各購買フェーズ毎の目標指標例

     

    3.3.2 ストーリーの骨子を検討する

    最後にこれまでの内容を利用して、顧客がアポイントに至るまでのストーリーを決めていきます。
    各フェーズ毎に「顧客に対してどんなことをどんな順番で行うのか」を決めて記載していきましょう。

    詳細なシナリオは次のSTEPで深掘りするため、ここでは基本的な流れを簡潔にまとめます。
    ポイントは顧客がこんな行動をしたら自社はこう返すというお互いの行動に対するアクションを決定していくことです。

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    図9.各購買フェーズ毎のアプローチシナリオ例

     

    4まとめ

    たくさんの要素の検討お疲れ様でした。
    ここまでの検討で、皆さんが相対するリード像・それらに対する実行すべき要素が検討できました。
    以降のステップでは、検討した要素を実際のアクションに落とし込むため、シナリオの詳細作成方法をご案内いたします。

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    STEP02

    購買ストーリーを基にアプローチシナリオを作る

    本章で検討した要素を具体的にシステムに落とし込む方法をご案内します。

    次のステップに進む

     

    STEP01. 見込み顧客の購買ストーリーを作る

  • STEP01では、見込み顧客の購買ストーリーを作り、見込み顧客が成約に至るまでにとるであろう行動を予想し、その行動に対する打ち手の計画を行っていただきました。

    本章では、検討してきた内容を具体的な業務に落とし込む方法をご案内していきます。

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    図1.本STEPで実行する要素

     

    01本章で実施すること

    顧客に提供するストーリーを実際に提供するためには「実行できる粒度まで明確化する」必要があります。

    本章では、これまでに検討してきた内容を具体的な業務に落とし込む方法をご案内していきます。
    購買までのフェーズごとに分けて、段階的に購買フェーズを引き上げる流れを作っていく際のポイントをお伝えしていきます。

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    図2.購買フェーズを引き上げるシナリオ作成イメージ

     

    02見込み顧客へのアプローチシナリオを作る

    2.1 アプローチシナリオはシンプルに

    アプローチシナリオを作成する際は、シンプルにすることが非常に重要です。
    シンプルなシナリオであれば、見込み顧客に対するアプローチがスムーズで明確になります。複雑なシナリオでは、見込み顧客が混乱し、興味を失ってしまう可能性があります。

    また、シンプルなシナリオは、実装が容易であるため、素早く運用開始することができます。複雑なシナリオを作成したくはなりますが、実装が難しく時間がかかってしまうため、素早い対応ができない可能性があります。
    ですので、シンプルなものを作成し、目的に応じて複数のシナリオの作成を心がけましょう。

     

    2.2 アプローチシナリオ設計をする

    STEP01で作成した「ペルソナ・カスタマージャーニーマップの検討資料」を元に、まず簡易的なシナリオの検討を行った上で、シナリオを具体的なフローチャートに落とし込んでいきましょう。
    以下に、作成の流れをご案内します。

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    2.2.1 目標・フェーズの決定及び、シナリオの作成

    STEP01で作成した「ストーリー検討資料」で、どの購買フェーズからどの購買フェーズへ引き上げるシナリオを作成するか決めましょう。

    ワークシートの各項目には以下の内容を記載します。

    • フェーズの条件・・・このフェーズと判定されるリードはどんな方なのか
    • シナリオのゴール・・・このシナリオで、リードにどんなアクションをしてもらいたいか
    • 内容の方針・・・ゴールを達成するためにどんなアクションを自分たちがするのか

    目標と対象のフェーズを定めた後は、自動化するシナリオの具体的なタスクやアクションを明確にします。たとえば、見込み客に送信する自動メールの内容や、フォローアップのタイミングの規定などです。

    STEP01で作成した「ストーリー検討資料」を用いて、まずは文字におこしてシナリオの具体化を検討してみてください。

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    図3.シナリオの検討例

     

    2.2.2 ワークフローの設定

    テキストでシナリオの具体化ができたら、それをSMPのシナリオ機能で実装できるようにワークフローへ書き起こしてください。

    SMPのシナリオ機能で実行可能なアクションは以下の3つです。

    アクション 内容
    トリガーの設定
    (トリガーステップ)
    シナリオを開始するトリガーを設定します。本章では、購買フェーズの引き上げが行われたタイミングをトリガーとします。
    アクションの設定
    (アクションステップ)
    トリガーが発生した場合に実行されるアクションを設定します。たとえば、対象リードへ自動メールを送信する、架電をする(荷電リストに登録する)等の設定をすることができます。
    条件の設定
    (フィルタステップ)
    ワークフロー内で、条件に応じてアクションを実行するように設定することもできます。例えば、自動メールに反応したリードは、架電をする(荷電リストに登録する)。反応がなかったリードには、別の自動メールを送信する。等の設定をすることができます。

     

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    図4.ワークフローの検討例

     

    03アプローチシナリオをSMPに設定する

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    図5.シナリオ運用までの流れ

     

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    3.1 事前準備

    検討したシナリオを運用するためには、いくつかの事前準備が必要です。
    主な内容は以下が挙げられます。

    • 決裁者と非決裁者をSMPで区分けして管理できるようにすること
    • 見込み顧客がどの購買フェーズにいるか管理できるようにすること

    自分たちのシナリオに必要な要素があれば、事前に準備・設定しておきましょう。

    決裁者と非決裁者の管理

    決済者と非決裁者を区分けして管理するためには、登録された部署名役職を利用して管理することを推奨しています。SMPでは、[クレンジング機能] というものを提供しており、この機能を利用することで管理することができます。

    クレンジング機能を利用することで、入力された「役職」項目の値によって自動的に「ランク値」「ランク名」を設定することが可能になります。

    役職ランク 役職ランク名 対象となる役職 (例)
    0 0.社長、会長 社長、副社長、会長、代表、CEO、頭取、オーナー、都道府県知事、市区町村長、学校長
    1 1.役員、執行役員 取締役、執行役員、COO、CIO、CFO
    2 2.監査役、顧問 監査役、顧問、相談役
    3 3.部長、マネージャー 部長、支社長、店長、編集長、ディレクター、エグゼクティブ、マネージャー
    4 4.課長、リーダー 次長、課長、グループリーダー
    5 5.担当者 係長、主任、コンサルタント、エンジニア
    6 6.専門職 アシスタント、秘書
    7 7.職種名 議員、師匠
    8 8.役職なし ※役職の記載がないもの
    9 9.不明 ※役職がランクに当てはまらないもの

     

    保有リードに対する購買フェーズ判定

    購買フェーズを区分けして管理するためには、保有リードを各購買フェーズ毎にグループ化して管理する必要があります。
    SMPでは、[シナリオ機能][リスト機能] を提供しており、この機能を利用することでフェーズの管理を行います。

    フェーズ判定のための事前準備内容は以下です

    • 判定用項目の作成
    • 判定用リストの作成

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    図6.購買フェーズの区分けシナリオ例

     

    3.2 購買フェーズ毎の引き上げシナリオをSMPに登録する

    検討したチャート図を元に、SMPのシナリオ機能を使って設定を行います。具体的なシナリオの設定方法については、以下のマニュアルを確認しながら進めてください。

     

    04まとめ

    この記事では、検討フォーマットを使った具体的なシナリオの検討方法・検討結果のSMPへの設定例を案内いたしました。

    次ステップでは、こうした設定を行ったからこそ見えてくる課題についての案内と解決手段をご案内します。

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    STEP03

    獲得リードのターゲット層を広げる

    商談化率・受注率の高いリードに絞って送客を行うことを目指すと、今までと同じようなリードの獲得ペースでは十分な数の送客リードの送客が難しくなってきます。
    次ステップでは、そうした問題に対する考え方をご案内します。

    次のステップに進む

     

    STEP02. 購買ストーリーを基にアプローチシナリオを作る

  • ここまでのSTEPで検討したリード育成のストーリーの実装により、これまでは育成対象として営業部へ送客していたリードもすぐに送客を行う対象ではなくなります。これにより、これまで通りのリード獲得を続けると今後営業へ送客できるリードが少なくっていきます。

    そのため、より多くのリード(母数)獲得を目指すべく、「潜在層」を獲得する施策の実行を検討していきましょう。

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    図1.本STEPで実行する要素

     

    01商談や受注を増やすには

    商談や受注を増やすには「潜在層の獲得」「獲得したリードの育成」が必要です。

    「リードの獲得数」を増やしつつ、「獲得したリードを購入意欲が高い状態に心情変化させる」ことが目指すべき指針となります。

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    図2.商談化率・受注率の高いリードに絞りつつ、送客数を増やしていくことが必要

     

    02潜在層の獲得に向けて

    フェーズ2まで案内した内容は「顕在層」の獲得を目指したもので、獲得の段階から受注確度の高いリードに絞ることでできるだけ受注率の高いリードの獲得を目指しました。

    本章では、受注確度は高くないものの、多くの獲得が見込める「潜在層」をターゲットとした施策をご案内します。

    現状で受注確度は高くなくとも、認知を獲得しSTEP2までで検討したシナリオでアプローチし続けることで、興味・関心のフェーズに引き上げ、自社を選んで貰えるよう改善を続けましょう。

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    図3.獲得ターゲット層を潜在層まで拡張する

     

    03「潜在層の獲得」に向けた施策とは?

    ①ディスプレイ広告

    「自社の製品やサービスに興味がありそう」な方に対して画像や動画の広告を表示させサイトに誘導するWeb広告の一種です。
    リスティング広告が「検索ワード」に応じて表示される広告なのに対して、
    ディスプレイ広告は「興味がありそうなセグメントに対して無作為に表示させる」ことが大きな違いです。

    「興味がありそうなセグメント」の条件を更新し続けることでより将来的な受注に繋がりやすいリードの獲得につなげていくことが可能になります。

    ②プレスリリース

    自社の新商品や新サービス・イベントや経営情報などを発信する、また、そうした発信した情報をメディアに取り上げてもらうために情報を提供することで広く将来購入に結びつくリードに情報を届けるための施策です。

    広告と違い、費用がかからないことがポイントです。

    ③オウンドメディアの運用

    定期的な情報発信を自社サイトなどで行うことで自社の認知拡大を目指す施策です。
    各社の運用するブログなどが代表的なオウンドメディア施策です。

    直接的なリード獲得につながらなくても、関連する分野で何度も貴社を目にすることで課題が出た際に第一に想起されるブランドになることを目指します。

    定常的な情報発信の手間や環境の構築に費用が必要になるものの、発信する全ての情報が資産となり継続的に人の目に触れることになるため、長期的に見ると非常に効果の高い施策です。

    ④メディア露出

    業界の有名なWebメディアに記事を寄稿したりすることで多くの人の認知の獲得を目指します。

     

    04各施策の特徴、メリット・デメリット

    各施策には、それぞれ有効な場面や特徴があります。
    それらを理解した上で、実行施策の検討・実行のバランスの検討を行いましょう。

      特徴 メリット デメリット
    ①ディスプレイ広告

    効果が出始めるまで一般的に2~3ヶ月程度必要

    プレスリリースなどの施策に比べ、安定して多くの見込み顧客の獲得を期待できる

    一定の広告費用が必要

    広告をやめると効果がなくなる

    効果を出すためには知識や経験が必要

    ②プレスリリース

    比較的ハードルが低い

    費用をかけずに実行が可能 成果が読みにくい
    ③オウンドメディアの運用 継続的なコンテンツ提供により資産が溜まっていくため長期的に効力を発揮する 中長期的なリードの獲得が可能

    運用環境構築の初期投資が必要

    継続的なコンテンツ提供のリソースが必要

    ④メディア露出 メディア掲載までのハードルが高いが、公開における集客期待値が高い

    費用をかけずに実行が可能

    メディアの読者層と自社ターゲットが合致している場合に認知・集客効果が高い

    掲載までのハードルが高い
    (知識やスキルの他一定のリソースが必要)

    また、お客様の状況別の実行推奨施策を表にすると以下のようになります。

    求める要素 予算がある 予算が少ない

    数ヶ月以内で一定数のリード獲得が必要
    (短期的な獲得施策)

    ディスプレイ広告

    プレスリリース

    メディア露出

    将来に向けて安定したリード獲得の土台を作る
    (長期的な獲得施策)

    オウンドメディアの運用 -

     

    05まとめ

    本章ではリードの母数確保に向けた潜在層の獲得手段をご案内しました。
    次のステップでは、これまで設定した内容や実行を始めた内容を可視化し、成果を上げるためのPDCAを実行する方法をご案内していきます。

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    STEP04

    PDCAを回して目標を達成する

    施策の改善、実行の流れに関してご紹介します。

    次のステップに進む

    STEP03. 獲得リードのターゲット層を広げる

  • ここまでのSTEPで運用の土台を固めることができました。
    ここからは、運用した成果を確認しPDCAを回すための手段・設定を案内していきます。

     

    01受注確率の高いリードをより多く送客するための要素

    ここまでさまざまな設定や検討をしてきたのは「受注確率の高いリードをより多く送客する」ことが目的でした。
    では、その目的の実現に向けて、何を目的にどんな要素を可視化する必要があるでしょうか。

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    図1.可視化に向けたフェーズの俯瞰モデル

     

    可視化できる要素は以下のようなものがあります。

    ①送客したリードの商談化率・受注率

    まず、売上につながるリードを送客できているかの判定のため、商談化率・受注率が必要になるでしょう。
    顧客の成長の階段の設計と支援の実施により商談化率・受注率が向上しているか、実行の成果を確認します。

    また、この数字が思ったように向上しない場合、実行内容の改善の検討が必要になります。
    売上の改善に向けたPDCAの材料として利用しましょう。

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    図2.まずは受注率・商談化率を明確に

    ②送客数・各フェーズのリード数・各フェーズの流入数/流出数

    次点で必要になるのは送客数です。
    前述の通り、受注・商談化率だけが高くても・送客数だけが多くても、最終的な売上に繋がりません。
    どのくらいのリードを送客できているか、その中で受注・商談にどのくらい繋がっているかが明確になることで、必要な受注数・商談数が作れているかの総合的な判断が可能になります。

    ③各フェーズのリード数・各フェーズの流入数/流出数

    送客につながる一つ前のフェーズが「比較・検討フェーズ」のリード数です。
    では、比較・検討フェーズのリード数を増やすためには、更に前のフェーズが◯件だから…
    各フェーズの滞在リード数の可視化を行っていきましょう。

    また、次のフェーズに何件上げることができたか、このフェーズで離脱した人数は何人程度か、具体的な数字や割合を可視化することで、各フェーズの実行内容が適切に機能しているかどうかの判断が可能になります。

    具体的にどのフェーズがボトルネックとなり上位の要素が伸び悩んでいるのか、流入・流出数から明確にしていきましょう。

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    図3.各フェーズでの滞留数・流入/流出の割合の一覧

     

    02まずは必要な要素の可視化を始めよう

    前章で記載した通り、目標達成に向けて以下の要素の可視化を目指します。

    • 受注率・商談化率
    • 送客数
    • 各フェーズのリード数
    • 各フェーズからの流出数
    • 各フェーズへの流入数

    以前のフェーズで公開しているKPIレポートに、上記を加えた資料をご用意しています。
    こちらをテンプレートとしてご利用ください。

    資料のダウンロードはこちら

    ①商談数・受注数の確認

    まず、商談数や受注数のデータを確認し、KPIレポートに記載を行っていきましょう。
    SFA などの営業管理システムを利用している場合、そこから商談数の情報を取得してKPIレポートに記載していきます。
    システムから確認できない場合、営業部への協力を依頼しましょう。

    毎月の送客数・商談化率・受注率を追うことで、どの程度のリード送客が必要なのか・更に商談化率や受注率を上げるための課題は何なのかの仮説を立てられるようになります。

    ②送客数の確認

    STEP02で設定したシナリオにより、リスト一覧から送客数を確認することが可能です。
    全キャンペーン管理モード > [リスト]タブ > [一覧]リンク
    から「アポイントフェーズ」のリード数を確認しましょう。

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    図4.リストからの送客数確認イメージ

     

    ③各フェーズのリード数の確認

    リストから該当フェーズのリード数の確認

    送客数と同様に、リストから件数を確認しましょう。
    全キャンペーン管理モード > [リスト]タブ > [一覧]リンク > カテゴリ[リード育成フェーズ管理]から
    該当のフェーズの現在の件数を確認することが可能です。

    goal-achievement_5.jpg

    図5.リストからの各フェーズのリード数確認イメージ

     

    ④各フェーズからの流出数

    流出数には「下のフェーズに移動」「上のフェーズに移動」の2つのカテゴリがあります。
    ここでは、それぞれの情報の取得方法を確認していきましょう。

    下のフェーズに移動(途中離脱リードの確認)

    流出数も同様に、リストから確認します。
    全キャンペーン管理モード > [リスト]タブ > [一覧]リンク > カテゴリ[離脱リードの確認]より
    フェーズが「認知」に変更されたリード数を確認することが可能です。

    goal-achievement_6.png

    図6.リストからの各フェーズからの流出数確認イメージ

     

    上のフェーズに移動(フェーズが向上したリードの確認)

    全キャンペーン管理モード > [リスト]タブ > [一覧]リンク > カテゴリ[育成フェーズUP管理]より
    フェーズの上昇のあったリード数を確認することができます。

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    図7.リストからの各フェーズからの流出数確認イメージ

     

    ⑤各フェーズからの流入数

    フェーズの流入数はレポート上での計算で算出します。
    これまでの値を入力すると、レポート上で自動的に計算されて値が表示されます。

    03目標値の設計

    最終的な商談数・受注数を向上させるためには、確度の高いリードを送客するクオリティを保ったまま送客数を増やす、この2軸での改善が必要となります。

    シャノンの推奨は、

    • 商談数
    • 送客リードの商談化率
    • 送客数
    • 「比較・検討フェーズ」リード数

    に対して目標を設定することです。

    比較・検討フェーズ以下のフェーズにまで細かく目標値を設定すると「何のために目標を設定しているのか」が薄れてしまいます。
    そのため、ゴールに近い部分の数字はしっかり管理し、それ以外は俯瞰して把握できる状況を作ることがおすすめです。

    これまでのKPI設定と同様に、必要な売上・受注数から要素を分解し、年間での必要数を算出し、各月での取得目標数を決定していきましょう。

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    図8.ゴールからのKPIの分解

     

    04まとめ

    ここまでの設定で

    • リードの状況に合わせた支援の実行
    • 実行結果の確認

    が可能な状態になりました。

    今後は、運用とそこからの成果の測定により課題を見つけ改善を繰り返していくPDCAのフェーズになります。

    課題は見つけたが解決手段がわからない、そもそも成果から課題が見えてこない、そんな場合はシャノンまでご相談ください。

    STEP04. PDCAを回して目標を達成する