皆さんは、メールマーケティングを活用して、お客様に自社の商品やサービスをPRしていますか?
メールマーケティングは、効果的なPR方法の一つですが、どのようにメールを作成すれば、お客様に効果的にアピールできるか、と悩んだことはありませんか?
本記事では、メールマーケティングにおけるABテストの活用方法についてご紹介します。
ABテストは、メールマーケティングの効果を最大化するための重要な手法です。
ぜひ、ABテストを実施して、お客様の反応率を向上させてください。
01ABテストとは
ABテストとは、AグループとBグループに分けて、異なるメールを送信し、どちらがより効果的であるかを比較する手法です。AグループとBグループに、タイトルや送信者名、本文の構成、ボタンの色などを変えて、それぞれのグループに送信します。
その結果から、 開封率、クリック率が上がるメールの成功パターンを見つけられるため、効率的に見込み顧客の育成・集客・売上向上に繋げることができます。
図1.ABテストのイメージ |
02ABテストの特徴(メリット・デメリット)
ABテストの特徴としては、専門知識は不要で、誰でも始めることができます。また、メールの開封率、クリック率などの向上が見込め、より効果の高いメールを配信できるようになります。
一方で、配信先リストが極端に少ないと、検証データの信頼性が低下したり、2つのメールを作成して検証する必要があるため、ある程度の時間が必要です。また、ABテストは一度や二度で終わらせるのではなく、何度も検証し、改善を積み重ねてより効果の高いメールを求め続ける姿勢が重要です。
そのため、長い目で取り組む必要があります。
メリット | デメリット |
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03ABテストを行った目的別の事例
ABテストを実施する際には、どの項目を変更すれば、どのような効果が期待できるのかを想定しながら実行する必要があります。例えば、開封率を上げたい場合やクリック率を上げたい場合で、検証する項目は異なります。
今回は、代表的な検証項目の中から、4つをご紹介します。
差出人名(開封率を上げたい)
開封率を上げたい場合には、差出人名を検証することが大切です。 差出人名は、ユーザが最初に目にする部分であり、 差出人名が知っている人の名前や会社/サービス名が含まれているかどうかで、開封率に影響を与えます。
例えば、以下のような項目を検証することができます。
- 会社名と事務局名のどちらを使用するか
- 部署名と担当者名のどちらを使用するか
- 会社名/サービス名と担当者名+会社名/サービス名のどちらを使用するか
こういった項目を検証することで、開封率の向上を図ることができます。
件名(開封率を上げたい)
開封率を上げたい場合には、件名も重要な検証項目となります。
件名も、ユーザが最初に確認する箇所であり、件名の内容によっても開封率に影響を与えます。
例えば、以下のような項目を検証することができます。
- 短い件名にするか、 長い件名にするか
- 記号を入れるか、入れないか
- 数値(事例紹介の場合は成果数値、集客メールなら開催日)を入れるか、入れないか
こういった項目を検証することで、開封率の向上を図ることができます。
ファーストビューの内容(クリック率を上げたい)
ファーストビューとは、メールを開いた時に最初に表示される部分のことです。クリック率を上げるためには、ユーザーがファーストビューで興味を持ってくれるような内容を用意する必要があります。
例えば、商品の画像やキャッチコピーをファーストビューに配置することで、ユーザーにとって魅力的なコンテンツを提供することができます。また、ファーストビューにリンクやボタンを設置して、クリックしてもらえるように工夫することも大切です。
ファーストビューがユーザーにとって魅力的であれば、メール内のリンクやボタンをクリックしてもらう確率が高くなります。
メールの本文やデザイン(クリック率を上げたい)
メールのクリック率を上げるためには、メールの本文とデザインの改善が必要です。
例えば、以下のような項目を検証することができます。
ただし、一度に2つ以上の項目を変更してメールを配信することは避けましょう。
例えば、メールの本文と画像を変えて配信した場合、クリック率が向上したとしても、どちらが結果に影響したのかを正確に分析することが困難になります。
分析が正確に行われるようにするために、検証箇所は1つに絞って検証するようにしましょう。
04ABテストの流れ
ABテストは、以下のような流れで検証し、改善に繋げます。
図2.ABテストを行うまでの流れのイメージ |
05ABテストをやってみよう
ここでは、実際にABテストを実施する具体的な手順を説明します。
ABテストのパターンを作成する前に、まずは自社が抱える課題を明確にし、
仮説を立てる工程が必要です。
課題を明確にせずに仮説を立てないままABテストを実施した場合、
目的を見失いやすく、検証時間がムダになる恐れがあります。
効率的に効果検証を進めるためにも、
ABテストを行う前に以下のように課題と仮説を立てていきましょう。
課題:メールの開封率が低い
仮説:件名に数値を用いて具体性を持たせることで、開封率が向上するのではないか。
課題を明確にし仮説を立てることで、メールのパターンも作成しやすくなります。
複合検索機能を利用し、メール送信対象のリードIDを奇数と偶数に分けて抽出します。
抽出したメール送信対象のリードIDで2つのグループを作成し、複合検索により検索条件を保存します。
この際、ランダムにテストを行うため、
今回は10000件のリードデータが存在すると仮定し、「リードIDが奇数の検索条件」と「リードIDが偶数の検索条件」の2つの検索条件を保存します。
手順としては以下の通りです。
■リードID:1-10000内の偶数の場合の検索条件
- 全キャンペーン管理画面>[リード]タブ>[複合検索]をクリック
- 以下のような検索条件を設定し、「検索」ボタンをクリック
1. リード
検索種別:すべての条件に一致
項目名:リードID 条件:<= 入力値:10000
項目名:リードID 条件:偶数 - リード一覧画面の右上の「検索結果の操作」をクリックし、
プルダウンメニューから「検索条件を保存」、または「検索条件を保存(全ユーザ使用可)」をクリック - 任意の検索条件の名称を入力して「OK」ボタンをクリックして保存完了
■リードID:1-10000内の奇数の場合の検索条件
- 全キャンペーン管理画面>[リード]タブ>[複合検索]に遷移
- 以下のような検索条件を設定し、「検索」ボタンをクリック
1. リード
検索種別:すべての条件に一致
項目名:リードID 条件:<= 入力値:10000
項目名:リードID 条件:奇数 - リード一覧画面の右上の「検索結果の操作」をクリックし、
プルダウンメニューから「検索条件を保存」、または「検索条件を保存(全ユーザ使用可)」をクリック - 任意の検索条件の名称を入力して「OK」ボタンをクリックして保存完了
複合検索機能の詳細については、以下のマニュアルをご参照ください。
件名に数値が入っているテンプレートと
件名に数値が入っていないテンプレートの、2つのメールテンプレートを作成します。
手順としては以下の通りです。
- 全キャンペーン管理画面>[メール]タブ>[テンプレート一覧]をクリック
- メールテンプレート一覧画面の右上の「新規登録」ボタンをクリック
- 任意のベーステンプレートを選択する
- 「基本情報」タブをクリックして、「タイトル」の欄に任意の件名を入力
- 「本文」と「基本情報」を任意の内容に変更する
- 画面右上の「登録」ボタンをクリックして完了
メールテンプレートの作成方法の詳細については以下のマニュアルをご参照ください。
手順2で作成した2つのリストの複合検索を保存し、
送信ウィザード機能を活用してそれぞれにメールを配信します。
手順としては以下の通りです。
■件名に数値が入っているメールを、リードIDが偶数のリードに送信
- 全キャンペーン管理画面>[メール]タブ>[送信ウィザード]をクリック
- 登録情報を以下のように設定して、「次へ」ボタンをクリック
送信対象者の検索条件 :(手順2の『リードID:1-10000内の偶数の場合』
で設定した検索条件)
DM許可 :希望する
送信済の人も含めて送信する:しない
Emailクリックカウント :使用する
本文を送信履歴に保存 :する
送信者指定方法 :検索条件指定
メールテンプレート :(手順3で作成した、件名に数値が入っているテンプレート) - 「すべてのURLを選択」にチェックを入れ、「次へ」ボタンをクリック
- 「予約配信」の送信予約日に任意の日時に設定して、「メールの送信を予約する」
をクリックして送信予約が完了
■件名に数値が入っていないメールを、リードIDが奇数のリードに送信
- 全キャンペーン管理画面>[メール]タブ>[送信ウィザード]をクリック
- 登録情報を以下のように設定して、「次へ」ボタンをクリック
送信対象者の検索条件 :(6.2の『リードID:1-10000内の奇数の場合』
で設定した検索条件)
DM許可 :希望する
送信済の人も含めて送信する:しない
Emailクリックカウント :使用する
本文を送信履歴に保存 :する
送信者指定方法 :検索条件指定
メールテンプレート :(手順3で作成した、件名に数値が入っていないメールテンプレート) - 「すべてのURLを選択」にチェックを入れ、「次へ」ボタンをクリック
- 「予約配信」の送信予約日に任意の日時に設定して、「メールの送信を予約する」
をクリックして送信予約が完了
送信ウィザード機能に関する詳細については、以下マニュアルをご参照ください。
最後にどちらのメールがより多く開封されたか確認します。
開封の割合が高いメールの方が効果が高かったと言えるため、それぞれ送信したメールの開封率を比較してみましょう。
開封率はSMP管理画面の[ウィザード利用履歴]から確認が行えます。
手順としては以下の通りです。
- 全キャンペーン管理画面>[メール]タブ>[ウィザード利用履歴]をクリック
- 手順4で送信したメールの「詳細」をクリック
- 「開封率」項目で、メールを開封したリードの割合を確認する
※開封率 = 開封者 ÷ 到達数 × 100(端数は四捨五入)
メール送信結果の確認手順の詳細については、以下マニュアルをご参照ください。
06まとめ
ABテストはメールマーケティング施策の中でも気軽に始められる施策の一つです。
ただし、目的や仮説を事前に整理せずに、やみくもに検証を行っても意味が無いので、
事前準備はしっかり行う必要があります。
一度や二度で終わらせるのではなく、地道な積み重ねが必要ではありますが、
検証と改善を繰り返し、効果の高いメールを配信して、見込み顧客の育成、集客・売上アップに繋げていきましょう。