01リード育成=リードの興味関心度を"引き上げる"こと
リード育成とは、獲得したリードの自社製品に対する興味関心度を引き上げ、将来的に受注につなげていくマーケティング施策のことを指します。
コールドリードに対して、適切なタイミングでメールや電話などでアプローチを行うことで、ウォームリード、ホットリードへと変化させていくことがリード育成フェーズでのポイントとなります。
02なぜリード育成が重要といわれるのか
なぜ、今リード育成が重要視されるのでしょうか?
オンラインでのコミュニケーションが多様化しつつある現在、BtoBにおいて、約2/3のリードは営業担当者と対面する前に購買意思を固めているといわれています。
つまり、営業担当者と商談をする前の情報収集期間が長くなったことで、受注までの検討期間が長くなる傾向にあるのです。
このように長期化・複雑化する購買プロセスの中でリードを受注までこぎつけるために、
インサイドセールスやコンテンツを使って、中長期的に関係性を構築していくリード育成が注目されてきています。
03購買ピラミッドを活用してリードを育成しよう
シャノンでは、リードを育成する際、上記のような「購買ピラミッド」を活用します。
「認知」「興味・関心」「比較・検討」「商談」といったフェーズを示した「購買ピラミッド」とは、MA内のリードが購買ピラミッドのどのフェーズに所属しているのかを判断し、各フェーズにおけるリードの分布と推移を可視化するためのものです。
04購買ピラミッド活用の流れ
ここからはリード育成に効果的な購買ピラミッド活用の流れについてご紹介します。
購買ピラミッドの活用は、「構築編」と「運用編」の2つの段階に分けて説明していきます。
- 構築
購買ピラミッドをもとに定常的にリードを育成していくための土台が構築される - 運用
作成した購買ピラミッドより、課題分析・施策改善のPDCAが運用できる
~構築編~
4-1.購買ピラミッドのフェーズにおける閾値を定義しよう
購買ピラミッドの条件は、企業の業種や売ろうとしている商材によって異なるので、今までのリード実績をもとに、自社に合ったものを設計する必要があります。
たとえば、 「ウェビナーに参加した後に具体的な検討に入るリードが多い」 「最初に商品のことを知ってから、約半年後に商談を開始し購入に至るリードが多い」 「資料をダウンロードしても、その後半年以内に再度アクセスがないリードは見込みが薄い」 など、自社のリードに共通するいくつかの行動パターンをピックアップして、購買ピラミッドのシナリオに落とし込みます。
この設計図に基づき、各リードがどのフェーズにあるかを明確にすることで「いつ、何をするか」が決まります。
4-2.フェーズに合わせたアプローチ方法を定義しよう
フェーズごとの閾値を定義することができたら、リードの購買フェーズにあわせたアプローチを定義していきましょう。
このとき、上記の図にあるように各フェーズにおけるリードを次のフェーズに引き上げるために段階的なアプローチをとること、また、それぞれの引き上げが成功したと判断できる到達条件(CTA)を定義するようにしましょう。
4-3.獲得したリードを分類しよう
4-1~4-3を定義することができたら、実際に獲得したリードを上記のフェーズごとに自動的に分類しましょう。
SMPの検索条件機能とシナリオ機能を活用すれば、リードに対して自動的にフェーズ情報を付与・更新することが可能です。
~運用編~
4-4.各フェーズにおけるリード総数と前フェーズからの推移率を確認しよう
獲得したリードを購買ピラミッドのフェーズごとに分類する土台を作成することができたら、
月1でそれぞれのフェーズにどのくらいのリードが存在するのか、また前フェーズからどのくらい引き上げることができたのかを示す推移率を測りましょう。
4-5.ボトルネックを特定しよう
フェーズごとの推移を可視化することができたら、どのフェーズが商談までの一連のプロセスの中でボトルネックになっているかを分析しましょう。
4-6.改善施策を検討しよう
特定されたボトルネックから改善施策を考える際のポイントは、リードの「獲得」と「引き上げ」の施策に分けて考えることです。
例えば、比較検討にボトルネックがあるのなら、資料請求で外部からリードを獲得する、あるいはすでに獲得しているリードを関心フェーズから引き上げるのどちらかが考えられます。 リードによる「外からの引き込み」と、すでに存在する「下からの引き上げ」を統合的に考えた施策が必要です。
05構築・運用事例
それでは実際にSMPを活用して、購買ピラミッドの構築と運用を実行していきましょう。
5-1.構築編
購買ピラミッドの構築方法については、以下の資料をダウンロードしてご確認ください。
5-2.運用編
運用編では、購買ピラミッドの各フェーズにおけるリード総数と前フェーズからの推移率を確認してボトルネックがどこにあるのか特定し、リードのフェーズ引き上げ改善施策を考えていきます。
①各フェーズにおけるリード総数と前フェーズからの推移率を確認しよう
購買ピラミッドの引き上げ可視化方法については、以下の資料のp.44~49「購買ピラミッドの引き上げ可視化方法」をご参照ください。
ここまでで各フェーズに何人のお客様がいるのか、その分布と推移を把握することができました。企業活動では予実を毎月あるいは毎四半期の推移を見て管理していきます。そうした管理を支援するため、目標に対する進捗率の管理を行うゴール機能も提供しています。
ゴール機能の活用の詳細についてはこちらをご参照ください。
②ボトルネックを特定しよう
1で取得したデータを毎月継続的に取得していくことで一定の傾向を確認することができます。
購買フェーズ | (4月)推移率 | (5月)推移率 |
---|---|---|
商談 | 20% | 20% |
比較・検討 | 50% | 40% |
関心 | 17% | 10% |
興味 | 30% | 50% |
認知 |
20% ※先月の認知フェーズ比較 |
例えば、上記のように毎月前フェーズからの推移を取得すると、興味→関心の推移が低いためこの部分にボトルネックがあると特定することができます。
③改善施策を検討しよう
各フェーズの分布と推移のモニタリングを始めたら、実際の数字が好調に推移するのを見て安心したいところです。
ところが、実際には順調に上位のフェーズに進まないこともあり、改善に向けて、打ち手を講じなくてはならない状況に直面します。 どうすれば状況が改善するのでしょうか。
ここで全体を見ずに、やみくもに施策を実行しても狙った効果は得られないし、モニタリングするだけでは何も変わらない。 そんな悩みを抱える皆様に私たちが提案するのが、「獲得型の施策」と「引き上げ型の施策」に分けて検討することです。
フェーズにあわせた改善施策の検討方法については、以下のシャノンのブログ記事をご参照ください。
▶【シャノンのブログ】MAのはじめかた、肝になるのは購買ピラミッドの全体管理
▶【シャノンのブログ】コロナ禍で注目されるマーケティング施策はウェビナーと動画、MAで効果を高める方法
06まとめ
リード育成の目的性や、マーケティングプロセスの中でどのような意味をもつのか理解できましたか?
ここまでの内容を理解しているかどうかを、以下のチェックリスト項目で確認しましょう。
▢なぜ、BtoBマーケティングプロセスにおいてリード育成が重要視されるのか理解することができた
▢購買ピラミッドを組み立てることができた
▢購買ピラミッドのフェーズにおける閾値と、フェーズごとのアクションを定義することができた
チェックリストにすべてチェックを記入出来たら、『ステップ8:ホットリードを判別しよう』に進みましょう。