マーケティングや営業活動で効果を発揮するのが「展示会」です。ただし、展示会へブースを出展するには、費用も人手もかかります。費用や人手をかけるに見合った出展成果をあげるためには、出展前の目標設定と出展後には効果測定が必要です。この記事では、展示会ブースへの集客方法について解説します。展示会を営業やマーケティング活動に活かしたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。目次そもそも展示会とは?オフライン展示会オンライン展示会マーケティング活動で展示会への出展が有効な理由リードの獲得会社や商品の認知度向上既存顧客との関係性向上展示会ブースに多くの人を集客するには?ブース装飾やデザインにこだわる中に入りやすいようレイアウトを考える積極的な呼び込み集客ツールの活用展示会ブースでの注意点テーマに合った展示会に参加する過度な声かけ派手すぎる装飾やデザイン名刺を切らす権限のある担当を置くまとめそもそも展示会とは?展示会の考え方は組織や地域ごとに異なりますが、実は国際標準化機構(ISO)によって定義が定められています。ISOが定めている展示会の定義は次の通りです。「商品・サービス・情報などを展示、宣伝するためのイベント(ただし、フリーマーケットや路上販売は含まない)」展示会出展は単純に商品を展示する場ではなく、出展を通じて商品の販売につなげたり、正確な商品情報を伝える場です。そのため、出展側は商品知識があったり、潜在顧客の見極めのできる方が参加する必要があります。来場側は商品の目利きができたり、決裁権のある人の参加が求められます。オフライン展示会代表的な展示会に、東京ビッグサイトや幕張メッセでおこなわれる大規模なEXPOイベントなどがあります。オフライン展示会では来場者が展示会場に直接訪れ、商品やサービスに触れることが可能です。出展者と来場者が直接顔を合わせて商談できるので、その場で商品・サービスの説明や担当者の熱意などを伝えられます。オフラインの場合、会場まで移動時間や交通費をかけて来る必要があるので、興味・関心の強い方が訪れてくれる可能性が高いです。特に高額な費用がかかるBtoBビジネスの場合、対面のやり取りによって信頼を得られることもあります。オンライン展示会新型コロナウイルスの感染拡大を受け、人の多く集まる展示会が中止になってしまうケースが目立ちました。そこで注目を集めたのが「オンライン展示会」です。WEB展示会、バーチャル展示会といった呼び方もありますが、基本的には同じ意味です。来場者はパソコンやスマホ、タブレットなどを用いてオンライン上で参加します。住んでいる場所に関わらず参加でき、移動時間が不要なので気軽に参加できるメリットがあります。一方で商品やサービスに直接触れられないため、一部のサービスにとっては成果が得づらいかもしれません。最近ではオフライン展示会とオンライン展示会を組み合わせた「ハイブリッド型展示会」も注目されています。マーケティング活動で展示会への出展が有効な理由展示会には多くの来場者が訪れます。商談につながる場であるため、出展側にとっては効率的にマーケティング活動をおこなえます。また、商品に対して来場者から感想や意見を直接聞けるので、商品の改善にも効果的です。続いて展示会への出展で得られる3つのメリットを紹介します。リードの獲得展示会に出展すると、ブースに訪れた方の名刺からデータを得られます。中には将来の顧客になり得る見込み顧客のデータもあるはずです。展示会期中にバックヤードで名刺をスキャンしておけば、展示会終了後すぐにフォローできます。リードを獲得した後は、リードを管理して引き上げていく必要があります。このようなマーケティング活動全般を自動化する取り組みが「マーケティングオートメーション(MA)」です。MAについては「マーケティングオートメーション(MA)とは?基礎知識やツールについてわかりやすく解説」をご覧ください。会社や商品の認知度向上展示会には、さまざまな属性の来場者が訪れます。これまで自社のことを知らなかった方や企業に認知してもらえる可能性があるので、認知度向上につながります。大規模な展示会だと一度の展示会に数万人が参加するので、多くの方に自社を認知してもらうチャンスです。ブランディング効果も見込めるメリットがあります。既存顧客との関係性向上展示会には、見込み顧客だけではなく既存顧客も訪れます。事前にホームページやメールマガジン、SNSなどで出展することを告知しておけば、訪問してくれるかもしれません。既存顧客の困りごとや要望を聞くことで、商品開発に反映させたり、改善につなげられます。また、直接コミュニケーションをおこなうことで顧客満足度も上がり、長期的な付き合いにつながる可能性が高まります。展示会ブースに多くの人を集客するには?東京ビッグサイトや幕張メッセといった大規模会場で開催される展示会の場合、数多くの会社がブースを出展します。その中で、来場者を集客するにはさまざまな企画や工夫が必要です。4つの方法をお伝えします。ブース装飾やデザインにこだわる出展する展示会を選定するにあたり、業種・職種や役職・立場などのターゲットをイメージしているはずです。展示コンセプトや商品・サービスの特性などを考えて、展示ブースの装飾やデザイン内容を決めましょう。設営する際、施工してくれる会社にしっかりとイメージを伝えられるように準備をしてください。小さな小間ブースであっても、扱っている商品やサービス内容が一瞬で分かるようなデザインやキャッチコピーであれば、興味を持った人は立ち止まってくれます。ブースデザインに求められる一般的な要件は次の通りです。インパクトがある控えめである気持ちをつかむ理性的である飾りつけるまた、後日に送るサンクスメールや電話を意識したブースづくりも重要です。実際にシャノンが出展した展示会のブースでは「お菓子のつかみ取り」をおこないました。後日、『お菓子のマーケティングオートメーション企業から「追加のおみやげ」【ご来場の御礼】』というタイトルでサンクスメールを送りました。電話フォローの際も同様です。来場者の方は「ああ、あのお菓子のつかみ取りをしていた企業か」と覚えてくれる確率が高まります。このように展示会当日だけではなく、後日フォローする際のことも考えるとお客さまの印象に残りやすいです。中に入りやすいようレイアウトを考える来場者が興味を持ってくれてもブースの中に入りづらいと、貴重な機会を失ってしまいます。入口にはパンフレットやチラシを配置し、間口を広く取り気軽に入りやすいレイアウトにすることが重要です。例えば入口付近に自社商品・サービスに関する動画を流したり、視界に入りやすいメイン看板で商品・サービスの特徴を訴求するなどの工夫をしましょう。全体のバランスを意識してレイアウトを考えてみてください。ブースのレイアウト分類内容セミナー型ブース時間を決めて定期的にセミナーをおこなうブース。椅子を用意するなど、参加者が集まりやすいレイアウトにします。体験型ブース商品をその場で体験できるブースです。体験できるよう、スペースを広く確保するレイアウトにします。商品展示型ブース販売している商品を展示するブースです。実際の店舗のようなレイアウトにします。商談型ブース商談を重視したブースです。座って話せる商談用スペースを広めに確保するレイアウトにします。 いまの時期ですと、消毒用のアルコールを入口に設置しておくと相手も安心です。ブース設営時には時節柄のことも意識しましょう。積極的な呼び込み自社ブースに人を集めるには、積極的な呼び込みが欠かせません。出展に参加したスタッフが一丸となって積極的に呼び込みをしましょう。メンバーの一体感を出すために、会社のユニフォームやTシャツを準備しておくのも効果的です。来場者からも出展者だと分かるので、質問や相談があったら声をかけてくれやすくなります。会社によってはコンパニオンを依頼し、呼び込みをお願いしているところもあります。集客ツールの活用たくさんの企業が出展している展示会の場合、自社ブースに人を集めるためにノベルティなど集客ツールを活用しましょう。展示会でよく配られているノベルティは以下の通りです。季節のグッズ(夏ならうちわ、冬ならカイロなど手軽なもの)お菓子エコバッグメモ・ふせんカレンダークリアファイル などこうしたノベルティを手配しておけば、集客効果があるうえ、相手の印象に残りやすいです。会社紹介資料やパンフレットといった接客ツールは、集客後に渡します。ブースに集客する目的である集客ツールと、説明を補助する目的の接客ツールを分けて準備を進めてください。集客ツールによって足を止めてもらい、接客ツールを使って説明を補助します。展示会ブースでの注意点展示会ブースでの注意点について5つお伝えします。せっかくの展示会が失敗しないために、これらの注意点を意識してください。テーマに合った展示会に参加する展示会にブースを出展する際、展示会のテーマは重要です。自社の商品やサービスに合ったテーマの展示会に参加するようにしましょう。当然ながら、IT企業が食品の展示会に出展してもほとんど意味がありません。テーマに合った展示会に参加すれば、多くの見込み顧客を得られるチャンスとなります。過度な声かけブースへ呼び込むために声かけは大事ですが、過度な声かけは逆効果です。まれに来場者がブースを通過しようとしたときに、スタッフが前をふさいで声かけをしているケースを見かけますが、来場者の方は警戒感を抱いてしまいます。また、最近は新型コロナウイルスの影響で大声での呼び込みや近づいて声がけすることが、印象的に良くありません。過度な声かけをしなくても、興味を持ってくれるような工夫が必要です。派手すぎる装飾やデザイン他社よりも目立つブースを作りたい気持ちは分かりますが、派手すぎる装飾やデザインは逆効果になってしまう可能性があります。コストもかかりますし、派手さを求め過ぎると何のブースか分かりづらくなってしまいます。ブースは何が展示されているのか分かることが重要です。何を出展していて、何ができるかがひと目で分かるように意識しましょう。展示会出展の目的を再確認し、派手な装飾やデザインが本当に必要なのか考えてみてください。名刺を切らす名刺はなるべく多くの来場者に渡すと想定しておきましょう。名刺を切らしてしまうと、相手へ失礼になってしまいますし、ビジネスチャンスを逃してしまう可能性もあります。もしも名刺を切らしてしまった場合は、お詫びをしたうえで自己紹介をし、相手に名刺をいただいてから後日メールで連絡をしましょう。権限のある担当を置くブースに訪問してくれた方と商談が進み、具体的に取引の話まで発展したとします。決定権限を持たない担当が対応して「後日、確認してからあらためて連絡します」という回答だと、相手の熱が冷めて取引自体進まなくなる可能性もあります。取引条件や金額交渉などの話になった際には、その場で決定できる担当がその場に居ることが重要です。そうすることで、スムーズに商談が進みます。まとめこの記事では、展示会ブースへの集客方法を中心に解説しました。展示会へブースを出展するには費用も人手もかかるので、何としても成果をあげたいと考えるはずです。展示会への出展によってリードを獲得し、見込み顧客の引き上げをしていきましょう。シャノンが提供する「SHANONMARKETINGPLATFORM」は、イベントや展示会の事前準備から事後フォローまでの運営管理をワンストップで効率的に実現。日本有数の展示会で採用された実績が、自社のイベントや展示会を成功に導きます。さらに、QRコードでの来場認証やバーコードリーダーなど、ユニークかつ最先端のサービスにより、展示会に関わるすべての企業の満足度向上を支援します。イベントを開催されるかたはぜひシャノンをご検討ください。▼シャノンのイベントマーケティングシステムについてはこちら
イベントマーケティング
-
https://www.shanon.co.jp/blog/entry/exhibition_booth/
-
シャノンは2022年4月、「シャノン・ユーザーカンファレンス2022Spring」をメタバースプラットフォーム「ZIKU」で開催しました。シャノンでは定期的にこのようなカンファレンスをリアルで実施していましたが、2022年に、オンラインでのユーザーカンファレンスをはじめて開催しました。約400名の方にご参加いただき、来場者アンケートでは「大変満足」「満足」という回答が7割という結果でした。また、シャノンの子会社である株式会社ジクウが提供するメタバースイベントプラットフォーム「ZIKU」は2021年秋のサービスイン以来、各種のメタバースイベントに採用されています。このようなBtoBビジネスにおけるメタバースイベントの機会が今後増えると予測されます。今回は、まずメタバースビジネスの現状を確認した後、メタバースの展示会はどこまで成果を出せるのか、課題は何かといった点について、シャノンの経験をふまえてお伝えします。目次メタバースのビジネス活用はどこまで進んでいる?日本企業のメタバース認知度は約5割、活用に関心があるのは1割BtoCではNTT、HISなどが新規参入BtoBでは社内イベント、社内研修、展示会などに活用メタバース本格化への課題は「ハードウェア」「法整備」などむしろBtoBでメタバースが先行!?メタバース展示会の現状メタバースでどんな展示会が開催?メタバース展示会のメリット、デメリットメタバース展示会へ出展または開催する方法数字で見る、メタバースで開催した展示会の成果「シャノン・ユーザーカンファレンス2022Spring」の満足度は?メタバースイベントで集客・リード獲得が増えた事例・お客様の声まとめメタバースのビジネス活用はどこまで進んでいる?BtoCだけでなくBtoBにおいてもメタバース活用が進んでいますが、その現状を確認します。メタバースとは何か、どんなことができるかといった基礎知識については以下の記事をご覧ください。参考:メタバースとは何?どんなビジネスが展開?マーケティング分野でのメタバース活用も解説!日本企業のメタバース認知度は約5割、活用に関心があるのは1割PwCコンサルティング合同会社が2022年3月に日本企業を対象として実施した調査によると、メタバースの認知度は47%。自社でのビジネスへの活用に関心がある企業は10%という結果でした。同社ではさらにメタバースを認知している企業1,085社を対象に本調査を実施。メタバースのビジネス活用を推進または検討している企業38%で、うち半数は1年以内の実現を目標としていると回答しています。メタバース活用の移行がある企業はBtoC企業の44%、BtoB企業の37%。活用したい領域は「オンラインミーティング」「オンラインイベント・セミナー」「マーケティング・販促」が上位を占めました。全企業のうちメタバースを認知している割合が約半数、そのうちメタバース活用ビジネスをすでに推進もしくは検討している企業が4割弱なので、概算すると全企業の2割はメタバース活用にどちらかといえば前向き、といえます。しかし他に先駆けて推進している企業は少なく、関心をもちながらも状況を注視しているという印象です。BtoCではNTT、HISなどが新規参入最近の企業によるメタバース事業への取り組みとして以下があります。NTTドコモが「XRWorld」の提供を開始2022年3月、NTTドコモが独自のメタバース「XRWorld」を発表しました。ユーザーはアバターで参加し、アニメ・スポーツ・観光などのコンテンツを体験できます。今後VR対応予定です。大和ハウス「メタバース住宅展示場」を公開ダイワハウス工業が仮想空間上の住宅展示場を自由に見学できる「メタバース住宅展示場」を開設。コロナ禍で接触を避けたい顧客の来場を強化します。HISが「REALITY」にバーチャル支店をオープンHISは6月、スマートフォンアプリ「REALITY」内に「HISトラベルワールド」を期間限定でオープン。アバターで「ハワイ」「沖縄」などに旅行ができます。小学館がメタバース「S-PACE」を発表小学館のコンテンツを活用するメタバース「S-PACE」の一般公開は8月を予定。先行イベントも予定されています。東京大学「メタバース工学部」を開設東京大学は2022年度後期から「メタバース工学部」を開設。中高生、保護者、大学生、社会人向けに工学系のプログラムを提供します。サンリオは「VRChat」で最先端バーチャルショーを開催昨年12月のバーチャルイベントで高い評価を受けたサンリオが、7月、リアルなショーとバーチャルショーを同時開催する『NakayokuConnect』を展開します。このほか、日本を代表するメタバース提供企業であるcluster、HIKKYなどのコンテンツは増え続けていて、メタバースのマーケットが拡大していることを感じさせます。BtoBでは社内イベント、社内研修、展示会などに活用BtoBビジネスでメタバースが展開されてきた例として以下があります。バーチャルオフィスコロナ禍の期間中にMetaの「HorizonWorkrooms」、マイクロソフトの「MicrosoftMeshforTeams」が相次いでリリースされ、バーチャルオフィスが活用され始めました。メタバース入社式clusterなどのメタバース空間を使った入社式を実施した企業もあります。音楽や映像により、リアルなセレモニーとは違った演出をすることも可能です。メタバース研修新入社員研修がオンラインで実施されると同期の社員同士での交流が難しいという問題点がありましたが、メタバースを取り入れることで初対面の社員同士の交流を促進できます。VR建築展示場クリーク・アンド・リバー社が提供する「XREXPO」はVR空間にモデルハウスの展示場を構築。これが定着すればモデルハウスを建築するコストが大幅に削減できそうです。メタバース展示会コロナ禍で展示会が開催できなくなった期間にオンライン展示会が始まり、さらにメタバース空間での展示会が増えました。2022年になりリアルな展示会が復活してきましたが、オンライン同時開催とする例も多いようです。メタバース構築支援メタバース展示会に出展する企業、自社でメタバースビジネスを始める企業などを支援する事業会社も増えています。メタバースの広告配信事業メタバース広告の販売、3D広告の制作などを手掛ける企業です。メタバース本格化への課題は「ハードウェア」「法整備」など2021年の秋、急速に注目を集めたメタバースですが、2022年に入ってコロナ禍がいったん落ち着き、リアルへの回帰傾向となったためか、少し話題に上ることが減ったようです。しかしここまで見てきたように、着実にメタバースビジネスは拡大しているといえます。ただし課題もあります。経済産業省「仮想空間の今後の可能性と諸課題に関する調査分析事業」のレポートでは以下のようにPEST分析で課題を挙げています。「VRデバイスの価格と使い勝手」「仮想空間ビジネスの法整備」などの重要課題がクリアされていくことにより、メタバースのビジネス活用が加速化すると期待ができます。むしろBtoBでメタバースが先行!?メタバース展示会の現状BtoBにおけるメタバース展示会の事例やメリット・デメリットを確認します。メタバースでどんな展示会が開催?最近開催されたBtoBのメタバース展示会の例をご紹介します。STARTDXSUMMIT2021(株式会社ガイアリンク)2021年12月DXを推進したい企業が学び、交流するための展示会。会場ではビンゴ大会や花火などのレクリエーションも行われました。美濃焼の挑戦!最新技術を活用したメタバース展示会(株式会社リモデルパートナーズ)2022年3月美濃焼の産地メーカー6社が出展するバーチャル展示会が開催されました。商品はQRコードを読み取りスマートフォンで確認できるVR/AR連動型。伝統工芸品を世界に紹介する機会として今後に活かせそうです。シーコン・メタバースEXPO2022(一般社団法人シーコンソーシアム)2022年2月、7月サイボウズ株式会社を中心とするメーカー/Slerが集結し、kintone/Garoonの活用を紹介するセミナーイベント。来場者はアバターで展示と講演を自由に行き来することができました。VIRTUALEXPOinTODA(埼玉県戸田市)2022年5月ビジネス展示会の実証実験として開催されました。申込者はアバターでメタバース展示会に参加。近隣市区からも参加企業を募り、約30社が出展しました。メタバース展示会のメリット、デメリットメタバース展示会のメリットは以下です。低コストで実施できるメタバースを用いない通常のオンライン展示会よりはブース制作などのコストがかかりますが、一度作成したブースは再利用もできるので、リアルイベントよりはかなり低コストです。遠方からも集客できる国内外の遠方からも集客が可能です。また、事情があって外出が難しい人も参加可能です。時間・収容人数・開催期間の制約が少ないリアルな場所と時間に制約されることなく展示会を開催できます。リアルな展示会は日中・数日間ですが、バーチャルな展示会は24時間や長期間の開催も可能。開催の趣旨に合わせて自由に設定できます。演出の自由度が高いイベントの世界観を伝えるため展示会場を映像や音で演出したり、キャラクターを登場させたりといった自由な空間演出が可能です。オンライン展示会よりもコミュニケーションをとりやすいアバターで移動できるメタバースでは相手に近づいて挨拶をしたり、向かい合って質問したりできるので、一般のオンライン展示会よりもしっかりコミュニケーションできます。精度の高い見込み客データが得られるリアルイベントでは多くの人が来場したときにうっかり声をかけそびれてしまうこともありますが、デジタル空間では来場者の履歴が残ります。展示会のあと、見込み客に対して適切なフォローが可能です。一方、デメリットとして以下が挙げられます。展示ブースやコンテンツを準備するための技術やリソースが不足リアルな展示会を担当していたチームのリソースではメタバース展示会の準備をすることが難しい場合があります。しかしメタバース展示会を提供する企業は出展社が参画しやすいメニューを整備しているので、外部サービスの活用により解決できます。相手を細かく観察しながらコミュニケーションをとることが難しい営業担当者なら相手と会話をしながら細かい表情まで読み取って対話をすることに慣れていて、最初はアバターとの会話が難しいと感じるかもしれません。参加者にとってリアルな体験や一体感が不足来場者もメタバースに慣れていない場合はリアルで興味深い体験や他の来場者との交流、会場の一体感などの点で物足りなさを感じるかもしれません。以上のようにメタバース展示会にはデメリットもありますがメリットの方が多いといえます。また、今後リアルイベントがなくなるわけではなく、それぞれのメリットを活かす形で併用されていくと考えれば、大きな問題はなさそうです。メタバース展示会へ出展または開催する方法メタバースで開催される展示会に企業が出展する場合、リアルな展示会と同じようにエントリーします。主催者が提供している空間内の展示ブースをあまりアレンジすることなく使用すれば追加費用はそれほどかからず、最もコストをおさえられる方法といえます。しかしカスタマイズする場合はかなりの制作費が追加されます。一方、自社でメタバース展示会を開催する場合はどうでしょうか。選択肢は2つで、1つめは独自のメタバース空間を制作する方法、2つめは既存のメタバースを利用する方法です。自社専用のメタバースをゼロから構築すれば、数千万円程度の費用がかかります。しかし今後も定期的にメタバース展示会を実施していくこと、メタバース空間を他の企業にもシェアしていくことなどで投資額を回収できる可能性もあるので、大手企業ではメタバース空間構築をしている例があります。一般企業はメタバースのプラットフォームを利用して自社独自のイベントを行うか、複数の企業が出店するメタバース展示会に参画するか、という2つの方法があります。※シャノンの子会社「ZIKU」はメタバース展示会・イベントを支援しています。3Dの展示会場やブースはテンプレートが用意されており、デザインを選んでロゴや展示物をアップロードするだけでセットアップが可能。主催社と出展社向け機能も完備されたワンストップのバーチャルイベントサービスです。数字で見る、メタバースで開催した展示会の成果シャノンの実践例を含め、実施されたメタバース展示会の顧客満足度、リード獲得実績などの成果についてご紹介します。「シャノン・ユーザーカンファレンス2022Spring」の満足度は?冒頭でご紹介した自社のイベント「シャノン・ユーザーカンファレンス2022Spring」は、2022年4月に開催されました。当日はまず講演ホールにてご挨拶のスピーチを行い、その後はお客様に6つの展示ブースを自由に訪れていただき、各ブースではテキスト/音声チャットによりシャノン担当者が対応しました。申込者数と来場者数、アンケート結果は以下のとおりです。開催してみた結果、明らかになったポイントは以下です。音声チャットでリアルに近いコミュニケーションをとれた人は、満足度が高い傾向慣れないながらも展示ブースで音声チャットによりしっかりとコミュニケーションをとれた人はイベント満足度が高いようでした。参加者300人という規模感が、今回の場合は適正だった現在の技術や環境、初めての方が多いという状況では、参加者の人数が多すぎてもフォローしきれなくなる可能性があります。300名の参加という今回の規模感は、適度に活気がありつつお客様一人一人とのコミュニケーションもとりやすく、適当であったと思われます。メタバースイベントで集客・リード獲得が増えた事例・お客様の声ZIKUがサポートしたメタバースイベントで「集客を改善」「リード獲得数が増えた」という事例をご紹介します。「集客が前年比161%と大きく改善」 SalesforceAppExchangeVirtualExpo20222020年、2021年とウェビナー型のイベントをオンラインでイベントを行ったが、2021年に集客が落ち込んでしまいました。2022年はメタバース展示会として、メタバース会場の様子を事前にライブ配信。集客を前年比161%まで改善させることができました。くわしくは以下を参照してください。参考:NPO法人AppExchangeコンソーシアム様「集客が前年比161%と大きく改善」「1ブースあたりの平均リード獲得数はおよそ100」シーコン・メタバースEXPO2022メタバースの宣伝効果もあり、集客が前年比416%と大きく増加。ブースへの入場データが各出展ブースのリード獲得数となります。一人平均5ブースの閲覧があったので、1ブースあたりの平均リード獲得数は100となりました。くわしくは以下を参照してください。参考:一般社団法人シーコンソーシアム様「集客が前年比416%と大きく改善」以下は、複数のイベントで実施したアンケートなどからの抜粋です。メタバースの展示会は実施数はまだ少ないですが、それでも通常のオンラインイベントより満足度の高い体験を提供できる可能性のある手法といえそうです。まとめ本稿のポイントは以下の4点です。1.日本企業のメタバース認知度は約5割で、多くの企業は様子見の状態ですが、積極的に進出している企業もあります。2.BtoBではバーチャルオフィス、展示会などにメタバースが活用されています。3.メタバース展示会のメリットはリアルイベントより低コストで自由度が高いこと、オンラインイベントよりコミュニケーションがとりやすいことです。4.メタバースで企業の展示会を行う事例は増えていて、来場者の顧客満足度は高い傾向です。
https://www.shanon.co.jp/blog/entry/metaverse_exhibition/ -
こんにちは。シャノンマーケティング部の中村です。今回は、5月25日(水)から2日間、シャノンのユーザーであるブラザー販売さまが開催したリアルイベント「BrotherWorldJapan2022」でのシャノン活用例をご紹介します。シャノンのイベントマーケティングシステムと、ブラザー販売さまが提供するラベルプリンターを組み合わせた珍しい受付方法を撮影してきましたので、ぜひご覧ください。動画でご紹介!ブラザー販売のラベルプリンターとシャノンを組み合わせたイベント受付事例こんにちは。シャノンマーケティング部の中村です。今回は、5月25日(水)から2日間、シャノンのユーザーであるブラザー販売さまが開催したリアルイベント「BrotherWorldJapan2022」でのシャノン活用例をご紹介します。シャノンのイベントマーケティングシステムと、ブラザー販売さまが提供するラベルプリンターを組み合わせた珍しい受付方法を撮影してきましたので、ぜひご覧ください。「BrotherWorldJapan2022」申し込みから当日までの流れまず、イベントページはこちらです。私もこちらのページから申し込んでみました!ちなみに、6月には「BrotherWorldJapan2022」のセッション内容をオンラインイベントとしても配信しています。イベントページ申し込み後、イベントの数日前になるとリマインドのメールが届きました。ちなみに、こちらのメールもシャノンのシステムを使って配信されています。入場票のメールメールのなかに記載されている「入場票URL」をクリックすると、QRコードが記載されたページが表示されます。こちらが「入場票」と呼ばれるものです。当日は、この入場票をスマートフォンで表示するか、事前に印刷して持ち込むか、どちらかの方法で受付をします。実際の入場票今回は、この入場票を紙に印刷してイベント会場に向かいました。会場の受付はこちらです。(ここからの写真は、イベント前の設営日に撮影させていただきました。)以下の写真は、受付の裏側を撮影したものです。左からPC、そのすぐ右隣にQRコードリーダーが並んでいます。その奥に見えるものは……。こちらが、今回の目玉となる「ラベルプリンター」です!「brother」のロゴが入っており、ブラザー販売さまが実際に販売している製品となります。ここからは、撮影した動画やそのキャプチャをもとに、シャノンとラベルプリンターを使った受付の手順を紹介します。動画で紹介!シャノンとラベルプリンターを使った受付実際の動画はこちらをご覧ください!まず、こちらが受付で使うPCの画面です。シャノンにログインし、来場認証用の画面を表示しています。入場票のQRコードをすぐ横にあるQRコードリーダーで読み込むと、来場者のIDがPCの画面に表示されます。認証が完了すると、QRコードや来場者の名前が記載された画面が表示されました。「印刷」ボタンを押すと、すぐにPCの画面で表示されているものと同じデザインのシールがラベルプリンターから印刷されます。このラベルをネックストラップのポケットに入れて、来場者に渡します。ラベルプリンターを使った受付で、お客様をスムーズにお迎えここまで、シャノンとラベルプリンターを使った受付についてご紹介してきましたが、ブラザー販売さまは、なぜこの方法を実施されたのでしょうか?通常シャノンをイベントの受付でご利用いただいている場合、来場者が持参する紙の入場票を4つ折りにして、ネックストラップに入れてお渡しすることが多いです。以下がイメージ画像になるのですが、イベント名とQRコードに加えて、申込者の会社名とお名前が小さく表示されています。通常使われる入場票を4つ折りにしたイメージリアルイベントでは、お客様が来場されたら担当営業がご挨拶に向かうことが多いですが、通常の入場票だと、お客様のお名前が見づらい、どのセッションに申し込んでいるのかがわかりづらいというデメリットがあります。記事に掲載している写真は設営日に撮影したものなのであまり人が映っていませんが、「BrotherWorldJapan2022」は数百名集客されていたとのことでしたので、大勢の人がいるなかで、お客様へのスムーズな対応は難しいことが予想されます。そこで、ブラザー販売さまは自社で販売されているラベルプリンターを使って、よりお客様の情報を見やすくカスタマイズし、担当営業のアテンドをスムーズにしているとのことでした。また、ネックストラップのひもを営業グループごとに色分けすることで、担当のお客様をすぐに見つけられるように工夫されています。対応するグループについても、シャノンのシステムで来場者ひとりひとりに紐づく項目として管理しています。受付に準備されているネックストラップさらにシャノンを使うと、お客様が受付をしたタイミングで、担当営業にお客様が来場したことを通知するメールを送ることができるのですが、ここでも工夫をされていました。リアルイベント開催中は営業がPCを開ける時間は少なく、通常業務で使っているメールボックス宛にメールを送っても見逃されがちです。そこで、メールをスマートフォンでも確認しやすいTeamsのチャットに転送する設定をされていました。リアルイベントの受付にかかる時間は短いですが、その裏側には担当営業がスムーズに対応できる工夫がいくつも盛り込まれていました。シャノンのイベントマーケティングシステムについて2022年に入ってから、ブラザー販売さまが開催された「BrotherWorldJapan2022」のように、リアルイベントの開催が徐々に増えてきました。シャノンのイベントマーケティングシステムは、リアルイベントのほかに、オンラインイベントや、リアルとオンラインを組み合わせたハイブリッドイベントにも対応しています。今回の記事では当日の受付をメインにご紹介しましたが、事前の申込管理から事後のフォローまで、イベントに必要な機能をそろえておりますので、イベントを開催されるかたはぜひシャノンをご検討ください。▼シャノンのイベントマーケティングシステムについてはこちら
https://www.shanon.co.jp/blog/entry/case_brother/ -
新型コロナウイルスの影響で、人を集めるリアルイベントの開催が難しくなりました。そんな状況を打開するべく、普及しているのが「オンラインイベント」です。「自社でもオンラインイベントを開催してビジネスチャンスを広げたい。でも開催方法がわからない」とお悩みの方も多いでしょう。この記事ではそんな方のために、オンラインイベントについてわかりやすく解説していきます。オンラインイベントとは? 意味をわかりやすく解説オンラインイベントとは、パソコンやスマートフォンなどからオンラインで参加できるイベントのことです。新型コロナウイルスの流行以前は、人が集まってイベントを開催するリアルイベントが主流でした。しかし、リアルイベントは感染リスクがあるため、なかなか開催できない状況が続いています。イベント・コミュニティ管理サービスを展開するPeatixJapan株式会社の調べによると、2020年に自粛要請が発表された際には、公開されたイベントのうち35%が中止となりました。イベントページ公開前に延期や中止を決定したイベントも含めると、60~70%のイベントがキャンセルになったと推定されます。現在では多くの会社がリアルイベントからオンラインイベントに切り替えました。約9割のイベント主催者がオンラインイベントを開催した経験があります。■参照PeatixBlog、2020年オンラインイベントに関する調査PeatixBlog、2021年イベント調査レポートオンラインイベントの種類オンラインイベントには、大きくわけると個人向け(BtoC)イベントと企業向け(BtoB)イベントがあります。それぞれ、どのようなイベントがあるのか簡単に見ていきましょう。BtoC向けオンラインイベントBtoC向けでは、エンターテイメント分野のイベントが多いです。ほかにも個人向けの講座やセミナー(以下、ウェビナー。ウェビナーについては「ウェビナーとは?意味や配信のはじめ方をわかりやすく解説」をご覧ください)など、幅広いオンラインイベントが開催されています。一部のイベントジャンルを紹介します。音楽ライブ、コンサートお笑いライブ演劇、伝統芸能オンライン講座オンライン交流会フィットネス、エクササイズマインドフルネス体験BtoB向けオンラインイベントBtoB向けでは、ウェビナーや講演会が多いです。オンラインイベントをマーケティングや営業活動のひとつとして活用している企業が多く、毎週定期的に開催している企業もあります。BtoBイベントでおこなわれる内容を一部紹介します。ウェビナー、講演会ビジネスカンファレンス商談会、展示会記者発表会決算説明会、株主総会オンラインイベントのメリット・デメリットオンラインイベントのメリット・デメリットをそれぞれ3つ紹介します。オンラインイベントのメリットを3つご紹介オンラインイベントには「全国から集客できる」「開催費用が削減できる」「感染症対策になる」といったメリットがあります。それぞれのメリットについて紹介します。オンラインイベントのメリット1.全国から集客できるオンラインイベントは、リアルイベントとは違って場所の制約がありません。インターネット環境さえあれば、どこからでも参加できます。日本に限らず、世界中からも参加可能です。開催場所が遠くて参加したくても参加できなかった層に対してもリーチできるので、新たなビジネスチャンスが生まれる可能性も高まります。参加者側からすると、興味のあるイベントに手軽に参加できます。オンラインイベントのメリット2.開催費用が削減できるオンラインイベントはITツールを活用し、オンライン上でおこなわれるため会場代がかかりません。会場設営にかかる費用やスタッフの人件費も削減可能です。オンラインイベント開催のノウハウさえ身につけてしまえば、間違いなくコスト削減につながります。削減できた費用を集客のための広告や内容を充実させるための費用に回せば、参加者が増えてビジネスチャンスにつながります。参加者側としても、イベント会場までの交通費や宿泊費などがかかりません。オンラインイベントのメリット3.感染症対策になるオンラインイベント急拡大の理由が感染症対策です。感染防止対策として、ソーシャルディスタンス(人との距離)を保つよう呼びかけられています。オンラインイベントであれば、自宅から参加できるので他人との接触はありません。新型コロナウイルスの感染が収束しても、今後新たな感染症が発生する可能性はあります。あくまで可能性ですが、BCP(事業継続計画)の観点からもオンライイベントに対応できるようにしておく必要があるでしょう。オンラインイベントのデメリットを3つご紹介オンラインイベントには「通信トラブルのリスクがある」「参加者が途中離脱してしまう可能性がある」「参加者との関係構築が難しい」といったデメリットがあります。それぞれのデメリットと対策について、くわしく解説します。オンラインイベントのデメリット1.通信トラブルのリスクがある参加者が増えれば増えるほど通信への負荷が高まり、トラブルが発生しやすくなります。通信トラブルは、主催者側にとって大きな悩みです。とくに有料イベントの場合、通信トラブルはクレームに直結します。過去には、システムエラーでアイドルのコンサートに接続できず、クレームが多発した事例もあります。通信環境に気を使うのは、主催者側だけではありません。参加者側も通信環境が良くなかったり、ツールの使用方法がわからないと、参加自体できない可能性もあります。主催者側はあらかじめ、配信方法や視聴に必要な機材などを明示しましょう。オンラインイベントのデメリット2.参加者が途中離脱してしまう可能性がある有料イベントであれば、お金を払っているので途中離脱する可能性は低いでしょう。しかし、無料イベントの場合は気軽に参加できるので、内容が求めていたものと違ければ参加者は途中離脱してしまいます。そうならないように、イベントの目的を明確にして、登壇者の選定やイベントの内容といったコンテンツの中身を充実させる必要があります。オンラインイベントのデメリット3.参加者との関係構築が難しいリアルイベントでは、休憩の合間やイベント終了後の懇親会などで参加者と1対1で話をする機会もあります。しかし、オンラインイベントでは参加者との関係構築が難しいのが現実です。PeatixJapan株式会社のアンケートによると、主催者の30.4%が「以前よりも交流・つながりは減った」と回答しています。一方で16.6%が「以前よりも交流・つながりが増えた」と回答。「増えた」と回答した主催者の73.9%が、対策として「開催頻度を増やした」と回答しています。このことから、定期的にイベントを開催して参加者との接点を増やすことで関係構築につながることがわかります。チャットやSNSで質問をしてもらったり、アンケートの記入をお願いすることで関係構築が可能です。オンラインイベント開催の流れオンラインイベント開催の流れについて説明します。開催する際の参考にしてください。参加者が興味を持つような面白い企画の立案オンラインイベントには気軽に参加できますが、そのぶん内容が面白くなければ参加者は集まりません。イベントのコンセプトやターゲット、目的をしっかりと決めて参加者に楽しんでもらえる企画を準備しましょう。面白い企画で必要な要素は参加者に驚きや発見を与え、感情を刺激することです。社内で企画会議をおこない、ブレスト形式でさまざまな意見を出しあいましょう。ブレストでは他人の意見を否定することを禁止し、自由な発想でアイデアを出してください。ポイントは、予算や実現可能性を考えずにアイデアを出すことです。幅を広げることで、面白い企画の生まれる可能性が高まります。企画に沿った出演者のアサインオンラインイベントの企画に沿った出演者のアサインも重要です。BtoBのイベントを例にお伝えします。イベント企画出演者自社商品の紹介・勉強会・自社の商品企画担当者、責任者・商品のユーザーなど商談会・展示会・決裁権者・マーケティング、営業担当者などウェビナー・講演会・専門家・著名人などビジネスカンファレンス・ビジネスの第一線で活躍する人・ビジネススクールの教授などの専門家・司会進行役など決算発表会や株主総会・代表取締役や取締役などの役員・司会進行役など以上のように、自社商品の紹介や商談会、決算発表会などは自社の人間が出演者となります。難しいのは、ウェビナーやビジネスカンファレンスです。こうしたイベントには、出演者目当てで参加する方も多くいます。集客力のある出演者をアサインすることも、オンラインイベント成功の手段のひとつです。出演者以外にも、運営する事務局の役割を決めておくことも大切です。誰が何を担当し、どのように進めるのかを全体で把握しておきましょう。オンラインイベント配信ツールの準備オンラインイベントを開催するには、配信ツールが必要です。YouTubeやZoomといった海外製のツールから、V-CUBEやJ-StreamEquipmediaなどの国産ツールもあります。それぞれにメリットはありますが、サポートを求めるのであれば国産ツールがおすすめです。集客プロモーション参加者が少ないとビジネスにつながる可能性も低くなるので、集客プロモーションにも力を入れましょう。無料でおこなえる施策と、お金をかけてプロモーションをする施策があります。無料の施策・自社サイト、SNS、メールマガジンでお知らせする・無料のイベント告知サイト(Peatix、こくちーずなど)でお知らせするなど有料の施策・~EXPOなど、有料イベントに出展する・イベント告知サイトや検索エンジンに有料広告を出稿するなど無料の施策だけでは集客が上手くいかない場合は、有料の施策も検討してみてください。リハーサル社外の出演者がいる場合は、その方にも参加してもらい、当日の流れを伝えましょう。全員が同じ場所に集まってイベント開催するのであれば、その場所でリハーサルをしてください。出演者が別々の場所から参加する場合は、それぞれの通信環境や映像、音声が問題ないかを確認してください。この確認を怠ると、本番の際に通信トラブルが起きたり、映像や音声に不具合が生じてイベントの質が低下してしまう可能性があります。本番オンラインイベント本番です。本番前には、参加申込をしてくれた方へリマインドであらためてイベントの案内をしましょう。開催時間や配信用URLをお伝えし、少しでも参加率を高めます。本番では、これまで準備してきたことをスケジュールに沿って進めます。どれだけ準備をしてもトラブルが発生する可能性をゼロにはできません。トラブルが起きても対処できるように、しっかりと準備をしておきましょう。イベントのデータ分析、フォローイベント終了後にはアンケートを記入してもらい、データ分析と参加者へのフォローをおこないましょう。参加予定の何人が参加したのか、参加したうちの何人がイベント終了までいてくれたのかなどを確認してください。また、アンケートの回答内容を確認して、良かった点や悪かった点をナレッジとして蓄積します。そうすることで、次回以降のオンラインイベントに活かせます。参加者にはお礼と同時に当日の資料を送付したり、商品紹介をしてコミュニケーションを図りましょう。そうすることで、ビジネスにつながる可能性も高まります。オンラインイベントの活用事例シャノンのサービスを活用し、オンラインイベントを実施した企業の事例を紹介します。富士通株式会社2020年10月中旬~12月中旬の間、富士通株式会社はオンラインイベント「FujitsuActivateNow」を開催しました。このイベントは全社規模でのグローバルイベントで、数万人が参加。参加者の離脱をふせぐための工夫のひとつとして、休憩時間に司会者とスピーカーのトークセッションをおこない、リアルな雰囲気を演出しました。アンケート回答率を高めるために参加者のマイページを作り込み、セッションの参加履歴を集約。そこからいつでも、アンケート画面に遷移できるようにしました。結果、オンラインイベントは無事に終了し、参加者の視聴データも管理できました。サイボウズ株式会社2020年12月、大阪で「CybozuDays」開催。当初はオンラインとオフラインの同時開催の予定でしたが、開催3週間前にオンラインのみに変更となりました。イベントのスポンサーも集まっていましたが、リアルな展示ブースを期待していたスポンサーに納得してもらえるかが課題でした。そこで「資料ダウンロード」を強化し、マイページには登録セッションの視聴URLのほかに、スポンサー資料一覧ページのURLも掲載。マイページからアクセスした参加者のフラグが取得できるとともに、ブースアクセスフラグ、資料ダウンロードフラグも取得できるようにしました。こうした工夫により、参加者にとっても必要な情報を手に入れやすい設計となったのです。結果、3800名以上がイベントに参加し、成功をおさめました。株式会社日本ビジネスプレス2020年11月から12月にかけて、大規模なオンライン展示会と5つのオンラインセミナーで構成するイベント「JBpressDXWorld2020」を開催。開催期間が4週間と長くなるため、参加者は登録したセミナーを忘れがちになってしまいますが、チェックしたセミナーの開催日や開催期間の直前などにリマインドメールを送信したことが、参加漏れを防ぎました。同社にとって、はじめての大規模なオンライン展示会でしたが、大規模な集客と高い歩留まりを達成。結果、協賛社数は36社、登録者は4500名弱、来場者も3634名で歩留まりは81%と成功をおさめました。まとめ新型コロナウイルスの影響でオンライン化が進み、おうち時間も増えました。そのぶん、気軽にオンラインイベントへ参加できるようになりました。今後、さらにマーケティング活動の一環として、オンラインイベントは重要になります。シャノンのツールを利用すれば、オンラインイベントの集客から開催後のフォローまで一貫した運用が可能です。サポートが充実しているため、ツールの使い方に不明点があった場合でも、メールや電話で気軽に問い合わせできるため安心です。ぜひ、くわしい資料で確認してみてください。▼オンラインイベントの資料ダウンロードはこちら
https://www.shanon.co.jp/blog/entry/online_event/ -
2021年11月、メタバース型バーチャルイベントサービス「ZIKU」がスタートしました。運営会社である株式会社ジクウは、シャノンの子会社です。2022年2月16日(水)から17日(木)にかけてZIKUで開催されたイベント「シーコン・メタバースEXPO2022」では、来場者や出展社のみなさんにメタバースの世界をご体験いただきました。以下は「メタバース」のGoogleの検索数の推移です。2021年10月から急上昇しており、メタバースが、いかに突然注目を集めているかがわかります。メタバースはビジネスにも大きな影響を与えます。想像しやすいのはECサイトや会議・イベントでの活用ですが、どこまで可能性が広がるのでしょうか。今回は、「メタバースとは何か」という基礎知識から、メタバースビジネスの展開、マーケティング分野でのメタバース活用の可能性までを解説していきます。メタバースとは?「NFT」「AR/VR」などの用語も再確認 メタバースとは何か、なぜ今注目されているのかなどについて解説します。「メタバース」の意味は?その定義と、メタバースでできることメタバース(metaverse)は、「meta(超)」と「universe(宇宙)」を合わせた造語で、インターネット上につくられた仮想空間のことです。この言葉は30年前のSF小説「スノウ・クラッシュ」(スティーブンスン著)が初出。同書は近未来のアメリカを舞台としていて、主人公は現実世界ではピザの配達人、バーチャル世界「メタバース」では剣士でハッカーという設定です。2022年の「メタバース」も、小説で描かれている世界と基本的には同じですが、可能性はさらに広がっています。現代のメタバースの定義として、投資家マシュー・ボール氏の「7つの条件」が知られています。日本語英語1永続的であるBepersistent2同時多発でライブであるBesynchronousandlive3参加ユーザー数に制限がなく、各ユーザーは存在感を持つBewithoutanycaptoconcurrentusers,whilealsoprovidingeachuserwithanindividualsenseof“presence”4経済が完全に機能しているBeafullyfunctioningeconomy5デジタルと実世界、プライベートとパブリック、オープンとクローズの双方にまたがる体験であるBeanexperiencethatspansboththedigitalandphysicalworlds,privateandpublicnetworks/experiences,andopenandclosedplatforms6前例のない相互運用性を提供するOfferunprecedentedinteroperabilityofdata,digitalitems/assets,content,andsoonacrosseachoftheseexperiences7個人、企業など幅広い貢献者によって創造・運営されるBepopulatedby“content”and“experiences”createdandoperatedbyanincrediblywiderangeofcontributors,someofwhomareindependentindividuals,whileothersmightbeinformallyorganizedgroupsorcommercially-focusedenterprises補足すると、6番目の「前例のない相互運用性を提供する」は、「ひとつのゲームのキャラクターとして手に入れたアバターやコスチュームは他のどの世界でも使える」ということを意味しています。 7番目の「個人、企業など幅広い貢献者によって創造・運営される」は、メタバース内に個人が好みのデザインで想像する「ワールド」がつくられたり、メタバース内で利用できるコスチューム(スキン)を個人が作成して提供されるといったケースがあります。7つの条件のなかには、4や6など、まだ実現されていないものもありますが、近い将来メタバースはこうなる、という方向性がわかります。つまりメタバースでできることは、人が生活する活動のほぼすべてといえますが、大きく3つに分かれます。「ゲームをする」「人に会う」「イベントに参加する」「友達と雑談する」「買い物する」「旅行する」など、プライベートな時間を過ごす現在の自分の仕事をメタバース内に持ち込み、リアルと同じように続行するメタバースに投資やニュービジネスのチャンスがあると見込んで、お金を稼ぐこのように多様な目的がかなえられるからこそ、多くの個人と企業が関心をもち、参加しようとしています。「セカンドライフ」など、メタバースの今までの歴史2022年現在ブレイクしているメタバースですが、今までにもさまざまなメタバースの試みがありました。セカンドライフ2003年、「スノウ・クラッシュ」にインスパイアされた「セカンドライフ(SecondLife)」がアメリカでスタート。3D空間のなかで、ユーザーは自分のアバターで動き回り、他の人とコミュニケーションできるだけではなく、仮想通貨が流通し、土地取引もできました。2007年には日本版が公開され日本でもブームが起き、多くの日本企業も出店しました。しかしその後ユーザー離れが起き、ブームは終わっています。セカンドライフがリリースされたころはまだスマートフォンがない時代で、スペックの高いPCが必要だったこと、通信速度などのネットワークインフラが不十分だったことなどが背景にありました。アメーバピグ日本では2009年スタートの「アメーバピグ」が支持を集めました。アバター(ピグ)として渋谷や浅草を模した仮想空間で、ゲームやユーザー同士の交流ができました。2019年、AdobeFlashの終了とともにスマホアプリ以外のサービスを終了しています。その後メタバースは、すでに優れた仮想空間を提供していた参加型ゲームとともに進化します。マインクラフト歴代売上世界1位、2009年スウェーデン生まれのゲームです。仮想世界のなかでブロックを使って建物などの作品を作ったり、ゲームをプレイしたりします。FFXIV(ファイナルファンタジー14)参加型RPGのFF14は2013年にリニューアル。多様なコンテンツが用意され、ゲームプレイをしなくても時間を過ごせます。あつまれどうぶつの森「どうぶつの森シリーズ」では2020年に発売された「あつまれどうぶつの森」がヒットしました。無人島に移住し、仲間と生活したり交流したりします。多くの企業スポンサーが「島」を提供しています。Fortnite(フォートナイト)2017年スタートの、世界的人気を誇るアメリカのバトルロワイヤルゲーム。2020年に米津玄師のバーチャルライブで話題になりました。ほかにアリアナ・グランデのコンサートも開催されています。ゲームをしないでコミュニケーションやイベント体験のために参加するユーザーも増えています。そして2021年10月、Facebookが社名を「Meta(メタ)」に変更。このニュースは、「SNSからメタバースへ」の時代のシフトを強く印象づけました。メタバースを支えるテクノロジーである、VR/AR、NFTとは?メタバースが注目されるようになった背景として以下が挙げられます。コロナ禍による、リアルな移動の制約2020年からコロナ禍によりリアルな人との交流や長距離移動が制限され、多くの人がテレワークとなり、休日にはゲームの仮想空間で過ごす時間が増えました。また、現実では難しい海外旅行、大規模イベントなどを仮想空間で提供するサービスが急拡大しています。VR/ARをはじめとするテクノロジーの進歩VRは現実とは違うものを体験する仮想現実、ARは現実世界に情報を重ねて見せる拡張現実のことです。メタバースを楽しむために欠かせない、性能の高いVRゴーグルが手ごろな価格で入手できるようになりました。VRゴーグルを使うと仮想空間に没入できますが、スマートフォンアプリからアクセスして自分の動きをアバターに反映させることも可能です。モバイルデバイス、通信速度やサーバー性能などのテクノロジーの進化もメタバースを後押ししています。NFTなどエコシステムの整備NFT(Non-FungibleToken)は日本語で非代替性トークンと訳され、デジタルアートのような資産が唯一無二であることを証明する技術です。NFTは仮想通貨と同じく、ブロックチェーンによって保護されます。NFTが付与されたことにより、デジタル資産の売買が活性化しました。「エコシステム」はビジネス生態系と訳され、デジタルサービスにおける取引や決済など、経済的なしくみ全体を指します。NFTを含むエコシステムが整ったことで、企業だけでなく個人も巻き込んだメタバースでのビジネスの可能性が広がっています。メタバースのメリットとデメリットメタバースのメリットとデメリットは以下です。メタバースのメリット物理的制約がない物理的に制約されないことがメリットです。ユーザーからみれば、移動なしに遠隔地の人とコミュニケーションができること、感染の心配がない非接触であること、サービス提供者からみれば、コストをかけずに目的に合う空間を提供できることが挙げられます。非日常・非現実的な体験ができる仮想世界で、現実の自分だったらできないことを、テクノロジーによってかなりの程度までリアルに「体験」できます。「もう一人の自分になる」ことができます。コミュニケーションがとりやすい電話やメール、ビデオ会議などで実施するテレワークと比較して、より現実に近いコミュニケーションがとれます。テレワークなら、アバターで会社の会議に参加して、休憩時間に同僚と雑談、隣の部署にもあいさつに行くといった行動ができ、よりリアルな出社に近い形です。環境負荷が少ないメタバースは、リアルと比較して環境への負荷を最小限にできます。これも世界がメタバースを推進する理由です。現実世界における格差やハンディキャップを解消する介護や育児で外出しづらい人、障害がある人、高齢や病気療養中の人もメタバースで自由に活動することができます。住む場所や生活環境などの違いと制約を超えられるメリットがあります。メタバースのデメリット依存性や健康への影響メタバースが居心地のいい空間になればなるほど、依存症の心配があります。ほかにも、メタバースで過ごす時間が増えすぎることで健康にマイナスの影響が生じる可能性があります。炎上、ストーカーなどの問題人同士がかかわり合う空間では常にトラブル発生の可能性もあります。現在ネットやリアルで問題になっている誹謗中傷や炎上、ストーカーなどの問題がメタバースではどんな形で出てくるか、まだわかっていません。犯罪や不正の取締りの問題今のところメタバースには政府・警察・裁判所などがありません。世界中のメタバースを行き来できるようになったとき、何らかの不正行為があったらどう取り締まるのかも未確定です。メタバースの理想形では一人が複数のアバターを持つこと、複数の人が1つのアバターを持つことが可能とされていますが、アバターやメタバースの悪用防止も課題です。デジタル格差の拡大メタバースにアクセスできる人とできない人の格差や、メタバースを活用できる企業とそうでない企業の格差が拡大することが懸念されます。メタバースでビジネスはどう変化する?メタバースはどんなビジネスに活用されているかを紹介します。ECサイトとは違う体験ができる、バーチャル店舗ネットショップはどちらかというと1人でサイトを訪れて必要なものを買うところですが、メタバースの店舗は以下のようなリアル店舗に近い特徴を持つことができます。ウィンドウショッピングを楽しむ友人と一緒に店を回遊するショップスタッフに相談しながら買い物する街歩きを楽しみながら気になった店を見に行く一方で、以下のようなオンラインショップのメリットがあります。世界のどこからでもアクセスできる営業時間を気にせず買い物できる海外からの来客を呼び込みたい「伊勢丹」「資生堂」などがすでにバーチャル店舗を提供しています。街を歩きながら複数の店をめぐる体験ができるようなメタバースは、期間限定での開催が増えています。常設のショッピングモールの確立はまだこれからのようですが、着実に進化と拡大が続くとみられます。メタバースオフィスは、コロナ禍で急速に拡大コロナ禍でテレワークが日常的になったオフィスワーカーの多くは、以前よりも生産性が高くなったといわれています。しかし、責任は重いのに息抜きできるコミュニケーションの機会は少ないため、心身の疲労が蓄積しているという危惧も指摘されています。また、中途や新卒の社員は、会社になじむのに苦労しています。メタバースオフィスのサービスとして、Facebook改めMetaは2021年に、「HorizonWorkrooms」をリリースしました。VRゴーグルを装着してアバターとしてオフィスに入室し、会議や作業をします。会議では表情や身振り手振りを交えて特定の相手に話しかけることができ、ビデオ会議よりも自然に会話している感覚が得られます。仮想ワークスペースには自室で使用しているパソコンの画面や飲み物のボトルを反映できます。マイクロソフトも同時期に「MicrosoftMeshforTeams」をリリースしました。アバターで会議や共同作業に参加するところは「HorizonWorkrooms」と同様です。特徴的なのは複合現実(Mixedreality)の一種である「ホログラフィック エクスペリエンス」。プロダクトやメンバーの姿を空間に3Dで描き出して共有します。ほかにも、特色あるメタバースオフィスを提供している日本の企業も増えています。前述したようなリモートワークの課題を解決できるようなメタバースオフィスには確実な需要があり、今後マーケットが拡大していくと期待できます。制約がないのが強み。盛況のメタバースイベント2021年は多くのバーチャルイベントが開催されました。メタバースイベントはキャパシティを心配することなく多くの観客を集められることが魅力です。東京ガールズコレクション2021年は2月と10月にオンラインで開催。10月の「TGC2021A/W」ではXR(VR・MR・ARの複合)を駆使した空間にTGC専用アプリで参加できました。バーチャルマーケット株式会社HIKKYが運営するメタバースで定期的に開催され、「イベントにおける参加ブースの最多数」でギネス世界記録認定されている大規模イベントです。12月の「バーチャルマーケット2021」の会場は、「リアル」と「パラレル」が融合した「パラリアル渋谷」「パラリアル秋葉原」。パラリアル渋谷のなかに「大丸松坂屋」が出店している非現実感がメタバースならではといえます。バーチャル渋谷ハロウィーンフェス202110月、クラスター株式会社が運営するメタバースプラットフォームのなかで渋谷区、auなどが主催して行われ、世界中から延べ55万人が参加しました。TOKYOGAMESHOWVR9月30日から4日間開催。東京ゲームショウ初の仮想空間「TGSVR2021」がオープンしたほか、公式番組の配信、Amazon特設会場でのグッズ販売などが行われました。SANRIOVirtualFesinSanrioPuroland12月に開催されたサンリオのVR音楽フェス。メタバースイベントとしての完成度が高く、参加者から高評価を得ています。上記以外に企業向けのメタバース上での社内イベントも成長分野です。誕生日会のようなプライベートのイベントもメタバースで開催できるようになるかもしれません。イベントには非日常的な体験が求められていることをふまえると、メタバースとイベントは親和性が高いといえます。アニメ、ゲーム、アーティストなどのコンテンツとリアルな商品・サービス、テクノロジーを融合させたメタバースイベントは2022年もさらに多様になっていきそうです。2022年進化しそうなのがメタバース観光バーチャルオフィスやバーチャルイベントに続き、2022年にはメタバース観光が進展すると思われます。2021年4月、沖縄県は「バーチャルOKINAWA」をスタートしました。沖縄の街並みや文化を体験できる空間内に、2022年首里城を復元することが決まっています。地域コンテンツをメタバース化する流れはさらに加速する見込みです。旅行・運輸各社はコロナ禍で業績が悪化するなか、バーチャル旅行への投資をしてきました。各社の公式サイトへいくと、「オンラインツアー」などが見つかります。たとえばHISは手ごろな価格で体験できる1000以上のオンライン体験ツアーを提供しています。ANAはバーチャルトラベルプラットフォーム「SKYWHALE」を開発し、2022年サービス開始を目指しています。メタバーストラベルには手ごろな価格で、スキマ時間に出かけることができ、満足度も高く好評です。しかも、「次はリアルな旅行に行きたい」という旅心を再確認する機会になります。この分野では大手企業以外の日本企業の参入も大いに考えられますが、海外のサービスが急成長することもありそうです。メタバースの市場規模は?ブルーオーシャン!?メタバースの将来像ブルームバーグは、今後メタバース市場は毎年二桁成長となり、2024年には約88兆円に拡大すると予測しています。他のメディアの多くも、近いうちに100兆円規模の市場になるとの見方です。市場規模もさることながら、メタバースのメインストリームを制した企業はGAFA(GAMA?)に並ぶ、あるいはとって替われるということも重要です。Mataという社名にはメタバースのプラットフォームを獲りに行くというビジョンが示されています。もちろん、今は無名の企業がメタバースの主役に躍り出る可能性もあります。現在、メタバースの顧客はアーリーアダプターのみで、アーリーマジョリティーを獲る前段階に立ちはだかるキャズムを越えることができていません。だからこそ各企業は今、メタバースに注力しています。「キャズム」については、以下の記事をご参考ください。■参考記事「STP」「AIDMA」など、知っておきたいマーケティング分析手法や考え方を一挙に紹介マーケティングにおけるメタバースの活用はどうなる?マーケティングの分野で、メタバースはどのように活用できるのでしょうか。ZIKUの事例とともにご紹介します。「ZIKU」は簡単にバーチャル展示会を開始できるサービスシャノンの子会社がスタートさせた「ZIKU」は、3DCGでバーチャル展示会を実現できるメタバース型イベントサービスです。リアルイベントと比較したときにオンラインイベントの弱点として挙げられる双方向のコミュニケーションがしにくい会場を回遊することによる偶然の出会いや発見がない結果としてリードの獲得数が少ないといった課題を解決できます。参加者は、アバターを利用して展示会場を歩くことで、リアルな展示会に近い臨場感を体験できます。関心のあるブースに入室すると、音声またはテキストチャットで出展者に質問できます。一方、出展者は会場を歩くアバターに話しかけて、ブース入場者・商談機会を増やせます。アプリケーションを追加でインストールすることなく、展示会場やブースのデザインを選ぶだけなので、簡単にバーチャル展示会を開催することができます。リアルなら難しかった小規模な展示会型イベントも、ZIKUで実現可能です。マーケティングへのメタバース活用マーケティングの分野ではどのようにメタバースが活用されているでしょうか。BtoCマーケティングでは、ゲーム空間でのイベント開催や新商品のプロモーションなどがすでに盛んです。今後は不動産、家具、リフォーム、車などの非対面マーケティングでさらに進化がありそうです。BtoBマーケティングでは、たとえば以下が考えられます。展示会メタバース型展示会の分野では、たとえば建設機械、工場設備、建築物、まちづくりプランなど、リアルな展示会のブースに展示することが難しかったプロダクトを世界に向けて紹介することができることもポイントです。見込み客とのコミュニケーション見込み客の獲得、興味・関心の引き上げ、商談などにおいて、商品やサービスのVR体験を提供するといった例が考えられます。インバウンドマーケティングへの活用BtoBでは、顧客企業の担当者が主導権を持って情報を集め、自ら購入を決定する企業が少なくありません。こうした企業の担当者へ向けて、商品やサービスを深く理解できる機会を提供することができます。商品開発新商品の開発、顧客の要望にもとづく商品・サービスの改善とその検証などに活用できます。メタバースがこれからどう展開するかは未知数で、実際には現時点で想像できないような活用方法で発展していくかもしれません。今後が楽しみであると同時に、マーケティング担当者が「乗り遅れてはいけない」と注視するテーマでもあるようです。まとめ本稿のポイントは以下の4点です。メタバースとは、インターネット上につくられた仮想空間です。現代定義されているメタバースは、・無制限にユーザーが参加できる・メタバースとメタバースを行き来できる・メタバース間でアバターや所有物を持ち運べるなどが定義づけられています。30年前のメタバースといえる「セカンドライフ」の後、参加型ゲームの仮想空間などがメタバースを提供してきました。VR/ARやNFTなどが整備され、コミュニケーションや企業活動のためのメタバースが本格化しています。メタバースにおけるビジネスとして、Eコマース、オフィス、イベント、旅行などが成長しています。背景にはコロナ禍による制約があります。シャノンの子会社がスタートさせた「ZIKU」など、マーケティング分野へのメタバース活用も今後拡大していく見込みです。
https://www.shanon.co.jp/blog/entry/metaverse/