「継続率99%」、これはマネーフォワードクラウドシリーズなど年間数百本の動画を制作している株式会社ゆるりとで、動画制作受注後に依頼が継続された比率です。「動画を創って終わり」ではなく「動画を創るところがスタートライン」として、クライアントの動画マーケティングを支援しています。BtoB動画の制作経験が豊富な株式会社ゆるりとの金田悠平さまより、BtoB動画マーケティングとBtoC動画マーケティングの違い、BtoB動画マーケティング動画を制作する上でのポイント、失敗・成功体験から得たヒントなどを語ってもらいました。※この記事は、「SHANONBtoBMarketingConference2019」で発表された内容を再編したものです。※2019年3月12日時点での内容です。目次顧客と動画の接し方は変わったBtoB動画とBtoC動画は何が違うのか<「法人営業の提案資料」のスキームを参考に><バズらせようとしない><BtoB動画で大事にすべき3つのポイント><BtoB動画のよくある失敗・成功体験から得たヒント><BtoB動画のこれから>訴求力の高いBtoB動画制作をしよう顧客と動画の接し方は変わったインターネットの普及・速度向上、パソコンやスマートフォン、タブレットなどデバイスの進化により、動画や映像を観られる環境が急激に変化してきました。それにより、動画との接し方も腰を据えた鑑賞だけでなく、隙間時間に少しだけ観るスタイルが増え、電車やカフェ、寝室などで動画と触れ合うようになりました。中にはテレビを観ながらスマートフォンでYoutubeを観るなんてことも。これらにより、動画の性質も変化しています。大きな点だと動画の長さ。ドラマや映画では1〜2時間が普通ですが、隙間時間で観る動画は30秒〜3分程度になりました。映画やテレビでは、複数人で鑑賞することによる「共感」や「共有」がキーワードでしたが、最近では、一人でその世界に「没入」するVRや、実際に触れることで動画と連携するデジタルアート、ARによる「体験」という新たな動画との接し方が日々生まれています。BtoBに関係するものでは、多くの対象に同じ動画を流すのではなく、一人ひとりに合った動画を視せる「パーソナライズ」動画の流れが数年前から少しずつ出てきています。BtoB動画とBtoC動画は何が違うのか<「法人営業の提案資料」のスキームを参考に>よく、視聴数をKPIにしているというお話を伺いますが、BtoBの動画マーケティングで負うべき指標は、視聴数ではありません。なぜなら、BtoBとBtoCでは、商品購買に至るまでの前提条件が違うのです。BtoBとBtoCでは、検討期間や意思決定者も含めて、購入フローが大きく異なります。BtoCの商品やサービスは、シンプルで用途が想像しやすいものが大半。BtoBでは、商品・サービスが複雑です。BtoBの購入フローは、課題認知や課題解決のためのソリューションを比較検討した上で、最終的に購買に至ります。そのため、BtoB動画マーケティングで活用する動画も課題を解決する・今よりも効率化されるなどの内容が入っていなければ、購買に繋がることは難しいと言えるでしょう。BtoB動画制作の考え方は「法人営業の提案資料」を作成するスキームと似ています。法人営業をする場合、「予算」「予算の時期」「体制」「実現可能なスケジューリング」「クライアントに特化した課題」「課題に対するソリューション」など抑えるべきポイントがあるように、BtoB動画も同様に企業が購買する時に必要な情報を最低限入れつつも、どれだけ対象企業に響く訴求内容を盛り込めるかが大事です。不特定多数をターゲットにせず、自社の見込み客層をしっかりとイメージする必要があります。<バズらせようとしない>人気のインフルエンサーが呟いて、バズったとしても、BtoBの商品は売れません。冒頭に申し上げた通り、BtoBの場合は購買・成約まで至るフローがBtoCほど簡単ではありません。話題になっている動画を観たから成約するのではなく、自社にメリットがあることが動画を観て分かってから成約するのです。また、BtoBの場合、商材によってはターゲットが絞られるケース(企業規模や業種など)があります。そのような商材のプロモーション動画は10万人に観られる必要はなく、ターゲットになる企業100社にメリットが伝われば良いのです。「知名度を上げたいから」といって、安易にバズらせることはやめましょう。バズらせた内容は企業のブランドイメージとして、この先長くまとわりついていきます。仮に、バズった内容により負のイメージが付いてしまった場合でも、なかなかイメージが消えることはありません。企業はアカウントを変えてリセットするなんて方法は取れないのです。<BtoB動画で大事にすべき3つのポイント>①目的の明確化BtoBの領域では、目的によって制作すべき動画も異なります。購買フローには、認知・比較検討・営業・受注・フォローといったフェーズがあります。掲載する媒体には、展示会やイベント・Web・営業・メールが挙げられるでしょう。動画作成のコツは、購買フローと掲載する媒体の関係を意識すること。関係を理解し、それぞれに合った動画を作れば効果は出るでしょう。例えば、展示会・イベントに来てくれる人は、認知と比較検討のタイミングなので、「商品・サービス説明動画」が適しています。営業担当者が訪問した際に観てもらう動画であれば「認知」はすでにされ、課題を抱えているフェーズである可能性があります。その際は、製品・サービス導入の前後での違い、導入後の世界観を伝えられる「Before/After事例動画」が適当です。すでに競合他社の製品や、サービスを比較検討済みの人が多い場合には、サービスを知ってもらう動画よりもサービスの優位性を伝えることのできる「ビッグナンバー訴求動画/訴求ポイント事例動画」の方が効果を期待できます。「ビッグナンバー訴求動画」は、製品・サービスの強み、優位性を定量化した結果をビッグナンバー化すること。「導入社数100万社」や「利用者1000万人突破」など、他社よりも優位性のある訴求ポイントを打ち出す動画が最適です。受注後のアップセル・クロスセル・継続利用・解約率防止などにも、動画は効果を発揮します。FAQ連携動画も、シンプルながら効果的です。システムベンダー会社のCS部門が、製品の操作方法を電話・キャプチャ・紙芝居で伝えるよりも、動画のほうがわかりやすくなります。受注したクライアントに開発責任者からビデオメッセージを送る「ThanksVideo」は、新しい試みでありながら効果が出ています。直近の売上よりも、自社を永続的に好きになってもらい、継続率を高めるユーザーのファン化に繋げられるでしょう。②訴求ポイントの明確化「アニメーションを創りたい!」や「実写の動画が創りたい!」というリクエストをもらうことがあります。アニメーションや実写はあくまでも手法の話であり、重要なのは、目的に対して最適な表現方法を取り入れることです。そのためには、目的・ターゲット・訴求ポイント・ユーザーアンケート結果を洗い出し、制作会社に伝えること。その上で、適切な表現方法がアニメーションであれば、そこで初めて「アニメーションで動画作成する」と決めるのです。③適正な予算配分動画制作が初めてのクライアントに「500万円で1本良い動画創りたい」というオーダーをもらうことがあります。しかし、初めての動画制作に1本500万円を使うのは止めましょうと私はお伝えしています。なぜなら、BtoBの動画は①や②で述べたようにターゲットや訴求ポイントによって適切な動画が違うからであり、適切な効果が上がるのかどうかが、動画施策を1回行なっただけで分かるとは限りません。500万円予算があるのであれば、50万円で10本の動画を創り、ABテストを行なうことが最適であるケースが多いです。適切な訴求ポイントを洗い出した上で、より効果が出る動画を順次創っていくほうが成果としては確実です。<BtoB動画のよくある失敗・成功体験から得たヒント>▼ブランディング動画を“いきなり”創らないBtoBのブランディング動画は、会社全体のブランドイメージに紐づくもの。他の動画と性質が違い、動画だけでブランド全部を伝えられません。しっかりと中長期視点で、紙・Web・インナー・アウターのブランディングとともに、そのうちのひとつのコンテンツとして動画を展開するほうがいいでしょう。▼Youtube広告動画は創らないYoutube広告動画を何度か出したことがありますが、一度も成功した例がありません。なぜなら、Youtubeは家でリラックスした状態で見られることが多いから。リラックス状態のときに広告を流されても、頭に残らないどころか、プライベート時間を邪魔されたような、マイナスイメージを与えてしまうこともあるのです。おすすめはFacebook動画。Facebookは仕事モードで観られることが多いため、効果が見込めます。▼訴求となるビッグナンバーを入れるBtoB動画は、繰り返し観てもらえる可能性が低いといった特徴があります。効果的に印象を残すためにも、数字で訴求しましょう。「100万社導入」「利用者100万人」「継続率99%」など、他社と差別化を図れるビッグナンバーを定量化するのがおすすめです。数字は記憶に残る上に、担当者が上長を説得するための良い材料となります。▼事例動画はフランクにBtoB動画で一番多いのは事例動画です。事例動画で成功するポイントは、カンペや絵コンテなどを細かく用意しないこと。事例をお話しいただくご担当者様には、質問事項を事前に目を通して頂き、撮影時には自由に話をしてもらいましょう。想定しなかった訴求ポイントを引き出せる場合が多く、さらに、普段の言葉遣いで話してもらうことで、信頼性が高まるのでおすすめです。台本を用意してしまうと、想定の範囲を超える回答は得られません。ましてや、プロの役者が話すわけではないので、演技をしているような不自然さが出てしまうので注意しましょう。▼動画で完結させようとしない会社案内や実績・事例など、全てを動画に盛り込もうとすると、長時間になってしまいます。隙間時間に観られることが多い現在では、長時間の動画を観てもらうことは困難です。動画を2〜3分ほどに分解し、適切な場所、適切な時期に振り分けるほうが効果は確実です。▼動画制作会社を変えないBtoBでは、動画の構成・表現を創る人間が、製品・サービスを理解している方がしっかりと訴求できる動画を制作できます。制作会社を変えてしまうと、製品・サービス理解が振り出しに戻ってしまい、負荷が増えるだけでなく動画のクオリティも下がることが多いため、中長期的な考えをもち、ひとつの会社と一緒に最適な訴求ポイントを見つけていくことをおすすめします。▼動画のマーケティングは視聴者数だけじゃない!「ひとまず視聴回数を稼ぎたい。上司に視聴回数を求められている」というケースはよくあります。しかし、視聴回数だけを稼いでも、あまり効果はないといえるでしょう。自社の求めるターゲットとする視聴者が観てくれるか、最後まで観てもらえるか、という視聴者の質こそが重視されるべきです。▼ラジオ型動画を目指すラジオは不特定多数ではなく「自分だけに話してくれている感覚」になれるのがよいところです。動画でも同じような感覚を与えられたら、より訴求力の高い動画になるでしょう。1社のために創った動画ではないが、観ている企業が「弊社にこそ必要なサービスではないか!」そう思ってもらえるような動画制作を目指すべきです。<BtoB動画のこれから>BtoB動画はインターネット経由の媒体が大半なので、基本的にデータを取得できます。取得したデータは、SMPなどのMAツールで統合管理をして、分析・可視化をしていきましょう。解析したデータを基に新たに動画を創り、PDCAで効果検証を繰り返して、より最適な動画を創る時代になっているのです。また、BtoB動画のこれからは、ビッグデータ解析に基づいて、企業単位で属性・⾏動データをセグメントしてそのセグメントに沿った動画を活⽤する。そういった時代になると思われます。訴求力の高いBtoB動画制作をしようこれからの時代、動画は重要な訴求ツールです。マーケターであれば、少なからず法人営業の提案資料に携わったことがあるはず。BtoB動画も同じようなスキームで作成することで効果を上げられます。取得したデータを基に効果検証をすることで、より高い訴求力の動画を創れるようになるのです。これからの時代に向けて、より効果的な動画制作を目指していきましょう。
シャノン自社イベント
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https://www.shanon.co.jp/blog/entry/smc-yururito/
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2019年1月初旬に「企業と顧客を人とICTのチカラでつなぐ」というコーポレートメッセージを掲げた富士通コミュニケーションサービス株式会社(以下CSL)は、1月下旬にはパートナー企業であるシャノンとの業務提携を発表しました。両社の業務提携には“利益を越えた目標を持って新たな価値を生んでいく”という想いが込められ、これを「共創」と呼んでいます。「共創」が目指す業務提携とはどんなものでしょうか?CSLの於久佳史様をお招きし、CSLが今取り組んでいることを各種事例を踏まえてご紹介いただきました。※この記事は、「SHANONBtoBMarketingConference2019」で発表された内容を再編したものです。※2019年3月12日時点での内容です目次なぜ、シャノンとパートナーシップを組むのか?CSLが取り組んでいくこと事例紹介<コンタクトセンター運用と顧客ロイヤルティの向上事例><CSLの今後の活動>まとめなぜ、シャノンとパートナーシップを組むのか?シャノンにはマーケティングプラットフォームの主力製品である「SHANONMARKETINGPLATFORM」があり、CSLには今までコンタクトセンターで培ってきた運用業務のナレッジやメソッドがあります。両社の強みであるMAと運用ナレッジを融合させることで、一連のマーケティング活動をビジネスモデルとして提供していくことができます。「企業と顧客を人とICTのチカラでつなぐ」ためには、富士通グループだけではなく、多くのパートナー企業とともに進めなければ顧客の要望には応えられません。今回のシャノンとの業務提携は、単なる企業間のビジネスライクなイメージのものではなく「互いに日本をより良くしていこう」という強い想いを持って「共創の和」が大きくなることを期待したものになります。CSLが取り組んでいくこと▼コンタクトセンター運用と顧客ロイヤルティの向上CSLでは、クライアント企業と顧客の関係性における「認知・理解」のタイミングから、実際に運用していくまでの「つくる」「はぐくむ」「つなぐ」「つながる」というカスタマージャーニーの一連の流れをサポートしていくサービスを提供し、ロイヤルティを向上しています。顧客視点で考えると、今後のBtoCモデル企業は、プラットフォーマー企業が、デジタル技術を活用して顧客の購買意欲を効率よく高める。ブランドを大事にしながらロイヤルティの高い顧客を醸成し、継続的に付き合っていく。という2極化がより鮮明になってくるでしょう。特に②を重視する企業では、ロイヤルティが高く、顧客生産価値も高い顧客を醸成するために多くの「サイレントカスタマー」にどうアプローチしたらいいかを考えています。CSLでは「人とデジタルのハイブリットなソリューションサービス」をそのような企業に提供しています。さらには、コンタクトセンター等での顧客との接点で獲得した情報を収集分析して、クライアントの経営層、サービス部門にレポートし事業戦略の基礎データを提供していくことができます。コトラーが提唱したマーケティング4.0曰く「カスタマージャーニーの中で、いかに“心に満足”を与えることができるかがロイヤルティの高い顧客を創ることに繋がる」と言っています。CSLでは「頭の満足」と「心の満足」を“高い次元”でサービスを提供することで、消費者のエンゲージメントが醸成され、収益への好循環を生み出すと考えています。▼顧客接点における「人」的影響CSLが顧客のカスタマージャーニーを構築・検証してきた中で、ロイヤルティの高さを証明する「反復購買」には、人が与える影響も大きいということが解りました。簡単に言うと“おもてなし”が「反復購買」に影響するということです。マーケティング理論の中で目が行きがちなことは“どうやってNPSを高めるか”、“いかにスイッチングコストを高く維持するか”ということですが、CSLでは第3の指針として「HC-X™(HumanContacteXperience)」というメソッドを考え、「顧客接点の人的影響」を見える化することにしました。▼HC-X™の定義HC-X™とは、特定ブランドにおける有人サービスの経験レベルを表したもので、NPSで直接表現できない領域(無意識・非言語的・個人的)のカスタマーエンゲージメントを示す指標です。人的接点で得られる体験の中で、心に響いた印象など無意識な影響はなかなか言語化しにくいという傾向があります。とあるブランドに対して「個人的にはとても満足しており、継続利用を考えているが人には勧めようとは思わない」というような個人に閉じたロイヤルティ行動を見える化したのがHC-X™です。例えば、2016〜2018年に実施した「ユーザーのパソコン・スマホ購買に関する継続調査」のデータからNPS、スイッチングコスト、HC-X™が買い替え行動に与える影響度のデシジョンツリーを作成しました。NPSの推奨者が反復行動傾向にあるのは、一般的な法則と言われていますが、HC-Xに関しても反復行動傾向と大きく関連していることがわかります。コンタクトセンターの運用をする中でも、HC-X™による調査をどのタイミングで実施するかが非常に重要なポイントになると考えています。▼「人」を活かしたチャネルデザインの最適化コンタクトセンターなどのサービスチャネルを設計する上で、CSLでは「6GAPモデル」というモデルを基本にします。6つのGAPの中で一番重要なのは「お客様の期待」を把握して、それに沿ったサービスを設計に落とせるかというところです。そこで、この接点で実施されたサービスが顧客の期待に沿っていたかを確認し、カスタマージャーニー全体を点検します。この活動を高速に実施し、何回も繰り返すことで顧客そのものを捉えていきます。顧客接点をデザインする時には、チャネルの種別、代表的なコンタクトリーズン(ニーズ)、顧客の抱くイメージ・期待、などを調査してマッピングしたアウトプットを作成します。ポイントは顧客目線でニーズと期待を整理するという点です。チャネル種別のWebを例に言えば、利用者のニーズは「商品の比較や購入方法などが知りたい」。チャネルへの期待値は「手軽で・すぐに・多くの情報を得たい」。けれども「自分の課題や心情を理解して欲しい」という部分までは求めていない、ということがわかります。重要なのは、利用者はチャネルごとの特性を理解しており、その特性に応じた期待値を持っていることを認識すべきだということです。事例紹介<コンタクトセンター運用と顧客ロイヤルティの向上事例>▼A百貨店(中堅以上)の事例百貨店業界は地方だけではなく、都内でも非常に厳しい状況にあるとメディアの方で言われています。そこで、とあるA百貨店が求める顧客と、訪れる顧客との距離感が離れているのではないかという仮設を立てました。実は訪れる顧客は、百貨店が“自分を理解してくれて、私のための商品が置いてある”ということを望んでいるのではないかと仮定し、この百貨店にはエモーショナルな体験価値を提供することが重要だと考えました。そこで、ネットリサーチデータや百貨店が持っている情報を預かって、きめ細やかな数種類のペルソナ、カスタマージャーニーを作り百貨店が求める顧客の実態を立案しました。ここでの注意点は、ペルソナやカスタマージャーニーから要素を抽出しても、ランダムな状態での抽出になってしまうので顧客体験価値というものを立案するには至りません。そこで我々が、抽出した要素を様々なマーケティングスキームに多角的に配置することにより、要素を整理した状態で我々がレポーティングをしました。その後、百貨店での中期戦略等の立案にもその情報役立ててもらっています。▼エンゲージメントを高めるベストプラクティスの事例我々がアウトソーシングしているコンタクトセンターでのベストプラクティスとしては、全チャネル(電話・メール、有人チャット、チャットボット)を連携したソリューションを提供し、企業側のプロフィットの最大化に取り組んだものです。このセンターでは、まずカスタマージャーニーを踏まえ、各チャネルの役割や機能を整理しました。そして、チャネル間のチーム連携により役割や機能を活かしてサイレントカスタマーを戦略的に取り込み、人的接点に誘導することでHC-X™を提供できる導線を設計しました。有人チャットやチャットボットを、単なる呼量(電話の鳴る回数)削減やコスト削減のために利用するのではなく、カスタマーエンゲージメントを高めることを最終的なスコープに設計したことで、各チャネルが有機的につながるような導線が引けています。▼チャネル間の連携不足によるCX低下の事例国内大手アパレル企業に対して、オンラインとオフライン(実店舗)のショッピングの体験についてミステリーショッパー調査を行い、カスタマージャーニーを点検した際にわかったチャネル間の連携が不足している例です。Webやチャットなどで問い合わせを実行した上で実店舗に行ったところ、回答された内容と実店舗のオペレーションが違っていました。このアパレル企業では、セミオーダーという良質な商品展開があるにも関わらず、最終的な顧客からの印象は悪くなってしまう可能性があることが調査の結果わかりました。このように、顧客視点でチャネルを横断するカスタマージャーニー体験してみることで、チャネル間の連携不足、それによる痛点、それらがクリティカルに顧客離れにつながってしまう体験が発生していることが見えてきますので、BtoCをビジネスモデルにしている企業の方は、自ら実践してみると何か課題が見つけられるかもしれません。▼顧客ロイヤルティ向上と店舗連携とあるメーカーでは製造から小売までを自社で直接行う業態です。この企業は、実店舗に来店いただき、お客様対応の良さ、製品・品質の良さを実感してもらい、売上・業績アップに繋げることを目標としています。そのため“いかに多くの顧客に来店してもらえるか”を考えなければなりません。そこで「人」を含めたオムニチャネルの接点から蓄積されたCRMデータを一元管理し、顧客の声を最大限に活かすことを狙いとして、カスタマージャーニーのあらゆる部分で「頭の満足・心の満足」を体験してもらえるようにエンゲージメントを調整しました。▼営業部門と連携したデジタルマーケティングの事例最近の富士通での営業活動は、特定の大企業の現場やマーケティング部門にも対象を広げています。CSLでは、富士通の営業部門とマーケティング部門の運用から顧客との接点までの一連のマーケティング・プロセスを担っています。このプロセスでのデータ集約にはSMPを活用しクライアント企業をフォローできる仕組みを構築してきました。このマーケティング・プロセスの仕組みは、マーケティング部門が主導権を持つタイプのデマンド・ジェネレーション(リードを獲得・育成して商談機会に結びつける)ではなく、アカウント・ベースド・マーケティング(以下ABM)により、特定の顧客だけを対象とした最適なアプローチを実践していくので、営業部門とその先のクライアントに質の高いリード(売りたいキーマン)を早く見つけ、効率よく渡し、他社よりも早くアプローチ・提案に結びつけてもらえるように設計されています。このようなマーケティング・プロセスが可能になった経緯は、CSLがBtoBビジネスに対するコンタクトセンターで培ったインバウンド・アウトバウンド業務でのノウハウをベースに、デマンドセンターを立ち上げたことによるものです。デマンドセンターでは高確度な商談を最適なアプローチで提案できる仕組み作りが可能になりました。富士通では、顧客への問い合わせや、それに対する対応内容を組織的に把握することが重要になってきます。対応漏れを防止するとともに、販売推進部門や開発部門が対応した顧客への回答内容を営業部門にも連携し、顧客をしっかりとフォローできる仕組みを構築してきました。単なるお問い合わせセンターと見られていたところから現在に至るまでは地道な活動がありましたが、今では富士通の営業部門もCSLの各センターの認識を「クライアントへの気付きを営業側に教えてくれるセンター」として認知・理解してもらえるようになっています。<CSLの今後の活動>CSLでは今後、積み重ねてきたデマンドセンターのナレッジをもとに、AIやチャットボットを強化・活用し、運用する者の利便性を追求していければと考えています。内部的には、コミュニケーターを早く育成して、早く実務ができるようなフローも検討するなど、蓄積された経験・ノウハウなどをビジネスモデルとして提案していきたいとも考えています。まとめ1994年に創業し、国内初の企業向けヘルプデスク専業会社として事業を拡大したCSLは、今では全国12箇所のサポートセンターと、1000名を超えるメンバーが客先常駐をしています。CSLがこれだけの規模になったのは、クライアントや社員を含めた「人」というものを大事にしてきたからあり、常に「人」を考えてきた結果、“心の満足”を見える化できるH−CX™といった指標を生み出すことができたのだと思います。シャノンとの「共創」により、ますますサービスアップが期待されるCSLに今後も注目していきましょう!
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動画でのプロモーションを行うBtoB企業が増える中、多くの企業に選ばれているタクシーデジタルサイネージ広告『TokyoPrime』。従来のコンプレックス系の広告が多く出稿されていたタクシーのイメージを一新し、快適な乗車空間を提供することを目指す株式会社IRISが提供しています。イベントでは、株式会社IRISのSalesDirector神﨑嶺平さまに『TokyoPrime』について、事例を交えてご紹介いただきました。※この記事は、「SHANONBtoBMarketingConference2019」で発表された内容を再編したものです。※数値等の情報は2019年3月12日時点での内容です。目次受動的に広告を見せられるのが強みの『TokyoPrime』東京から全国へ展開しリーチが大規模化タクシーサイネージは「個室空間で、ほぼ確実に」を実現テレビよりもタクシーサイネージの方がアプローチに有効?「可処分時間」がキーワードサービスや商品と相性のよい動画枠を検討事例紹介(株式会社ビズリーチ)なぜ『TokyoPrime』が選ばれたのか広告の効果は、サービスの深い理解評価のポイントは、地方への認知度アップ広告効果検証オプションリサーチ結果は「興味や好意を持ち、利用意向が高まった」世界中にデジタルサイネージを広めるのが目標受動的に広告を見せられるのが強みの『TokyoPrime』『TokyoPrime』とは、タクシーにデジタルサイネージを搭載し、広告を配信するサービス。タクシー会社としては、決済端末導入のコストを削減できるメリットも。10インチのフルHDの端末を助手席のヘッドレストの後ろに設置。22時〜翌6時まではデフォルト音声OFFになっています。それ以外の時間帯であれば、音声つきのきれいな動画を個室空間かつ至近距離で視聴させることができます。タクシーの空間で映像を流しているため、受動的に広告を見せられるのが強みです。東京から全国へ展開しリーチが大規模化事業開始当初は、都内のタクシー会社「日本交通」の車両に設置して広告を流していました。しかし、昨年の6月から、日本交通以外のタクシー会社の車両にも設置を開始。地方都市での設置も順次始まっている状況です。現在の設置車両数は、都内で5500台。(※2019年3月12日時点)それ以外の全国主要都市(神奈川・埼玉・大阪・札幌・福岡・神戸・京都)では、2019年3月中に4500台のタクシーに設置が完了する計画です。つまり、全国で1万台のタクシーにデジタルサイネージ端末を設置予定。月間のべリーチ数は700万人を突破します。タクシーサイネージは「個室空間で、ほぼ確実に」を実現今、どうしてタクシーサイネージがプロモーションとして有効なのでしょうか。まず、タクシーの利用者層を調査しました。結果は、若干男性の方が多くなっていますが、だいたい男女比率は半々。幅広い年齢層の方が利用しています。男女別に見ると、男性は若干年齢層が高め。ビジネス層、経営層の方が多いのが特徴です。男性全体で見ると、経営者とマーケティングの方が4割以上。このあたりがBtoBのプロモーションと相性が良いと思われている要因だと考えます。一方で、女性は年齢層が低め。専業主婦の方なども多くいるのが特徴です。テレビよりもタクシーサイネージの方がアプローチに有効?「可処分時間」がキーワード次に、なぜタクシーサイネージがプロモーションに適しているかをご紹介します。1日15分以上テレビを見る人の割合は年々減少。理由のひとつとして考えられるのが、可処分時間の消費が、テレビからスマートフォンにシフトしているから。その流れの中で、各ディベロッパーが可処分時間の奪い合いを繰り広げているため、従来のマス広告はリーチしづらくなっています。タクシーの平均乗車時間を見てみると、18分。この余暇時間に対して、受動的に長時間広告に接触できる媒体はあまりありません。また、『TokyoPrime』は、広告主が懸念する不正広告やブランド毀損などの問題をクリアしています。問題点は以下の3つ。視認できる位置に掲載されているか人ではなくBOT(機械)に見られていないか不適切コンテンツと並んで掲載されないか『TokyoPrime』は、お客様に、ほぼ確実に視聴してもらえる仕組みを作り上げています。タクシーの車内という個室空間で、乗客の至近距離に端末を設置し、料金メーターと連動して広告が再生されるのです。加えて、企業やサービスの掲載可否の審査やクリエイティブの考査が厳しいため、不正広告やブランド毀損と無縁です。サービスや商品と相性のよい動画枠を検討お客様がタクシーに乗車した段階では、画面には時計が表示されています。メーターが実車になると広告が開始します。そんな『TokyoPrime』の動画枠は以下の通り。「PremiumVideoAds」=誰が乗車しても最初に流れる広告枠(1枠・最大1分間)「CollaborationVideoAds」=日本経済新聞社との共同広告メニュー。広告の前に日経電子版の記事が流れる(4枠・最大3分程度)「StandardVideoAds」「TargetVideoAds」(30秒動画・10枠・最大10分程度)「PremiumVideoAds」「CollaborationVideoAds」は、1乗車につき広告が流れるのは1回のみ。「StandardVideoAds」「TargetVideoAds」は、長時間乗車の場合は複数回広告が流れます。高い到達率が期待できる早めに表示される枠で実施するか、複数回流してフリークエンシーを高めるか。サービスや商品と相性がよい枠を検討したうえで、選ばれています。事例紹介(株式会社ビズリーチ)株式会社ビズリーチ様は、即戦力の人材採用サービス『ビズリーチ』のプロモーションをメインに広告を出稿していただいています。ビズリーチ様は、2017年5月から約2年間、継続して『TokyoPrime』で動画を配信。乗客全員に対して放映する30秒の動画枠「StandardVideoAds」で広告を出稿しています。なぜ『TokyoPrime』が選ばれたのかビズリーチ様のターゲット:企業の経営層、採用の決済権者ビズリーチ様の出稿目的:認知度向上TokyoPrimeを実施した理由は以下の3つです。ターゲットが合致している強制視認性が高く、視聴態度が良い配慮された空間と配信コンテンツタクシーを利用する人に彼らのターゲットが多く含まれてるということが第一の出稿理由です。企業の意思決定層に対して、平日の日中にピンポイントでリーチできるメディアであると認識いただいております。また、タクシー車両という強制視認性が高く、至近距離で音声付きの動画を流すことができるという視聴態度が良い点。なお、動画の再生完了率は90%以上あり、音声付きの30秒動画を90%以上の乗客に最後まで視聴させられています。閉鎖的な空間であるものの、乗客の乗車体験を損なわないように配慮された、空間や広告の間に流れるコンテンツも評価いただいているポイントです広告の効果は、サービスの深い理解テレビCMやデジタル広告でもビズリーチ様の動画が流れているので、『TokyoPrime』のみでの評価は難しいのですが、動画全体のプロモーションとして、テレビCMと『TokyoPrime』を組み合わせての実施は非常によかったと感じているそうです。まずはテレビCMでサービスを知り、『TokyoPrime』で繰り返し動画を視聴させることにより、さらに認知度を上げる。サービスを深く理解させられたと、効果を体感していただいています。評価のポイントは、地方への認知度アップ新規リード獲得の向上受注率の向上受注までのリードタイムの短縮出稿を継続している理由は、地方大都市での台数増加。地方への認知はまだ十分ではないそうで、認知度アップを強化する手法として選んでいただいています。『TokyoPrime』は、地方都市へのエリア拡大を積極的に進めていて。全国一律での配信メニューで広告商品を展開している点を評価していただいております。今後は「エリアに合わせた配信メニューの開発に期待している」と言っていただいています。広告効果検証オプション動画広告の掲載終了後、ビズリーチ様にレポートを提出しています。何回広告が流れたか、そのうち再生完了したのは何回か、という日時や時間帯別のデータ。また、「詳細はこちら」というボタンがいつタップされたのか、どのタイミングで「画面オフ」を押されたのか、という傾向値のデータをお出ししています。『TokyoPrime』は、1回の発注が1千万円以上の場合に限り、ご要望があればマーケティングリサーチが可能です。掲載終了後に、期間内にタクシーを利用して『TokyoPrime』に接触した人と、タクシーは利用したが『TokyoPrime』に接触していない人を抽出。同じ質問をすることで、『TokyoPrime』に接触して動画を見たことで、態度変容が起こっているのかを調べて結果をお出ししています。質問内容は固定。「サービスを知っていますか?」「興味はありますか?」など、5問です。リサーチ結果は「興味や好意を持ち、利用意向が高まった」直近1年間のBtoBプロモーション案件で、11回のマーケティングリサーチを行い、その平均値を出しました。サービス認知率では、非接触者は23.8%、接触者は45.4%で、190.7%のリフト。好感度では、非接触者が20.1%、接触者は37.8%で、188%のリフト。利用意向では、非接触者が14.1%、接触者は32.4%。229.8%と大きくリフトしました。『TokyoPrime』で動画を視聴し、態度変容が起こり、興味や好意を持ち、利用意向が高まったというデータが出ています。OOHの広告は、効果の可視化が難しい媒体。しかし、現在『TokyoPrime』では、通常の配信レポートと併せてマーケティングリサーチを行い、効果をできるだけ可視化できるよう努めております。世界中にデジタルサイネージを広めるのが目標今後の展望は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、サイネージ設置のタクシーを5万台にまで増やすこと。そして、タクシーを利用するビジネス層や富裕層の方に対し、マスメディアのような大きなリーチ規模を持ったメディアになりたいと思っています。また、『TokyoPrime』のような事業をシンガポールでも展開しています。『Grab』という会社と業務提携をし、ライドシェアの車両100台(※2019年3月12日時点)にサイネージを設置し、広告を流すビジネスです。まずは、年内に設置台数を増やし、シンガポールでプロモーションされる企業様の役に立ちたいです。そして、東南アジアの他の国にも進出し、私たち主導で世界にタクシーサイネージを広めていきたいと思っています。
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ランディングやコマーシャル、マーケティングリサーチなど、トピックが多岐にわたる「グローバルマーケティング」。自社の売り上げに直結するようなグローバルマーケティングを行うには、何が必要なのでしょうか。ITや製造業のBtoBグローバルマーケティングを支援している、マーケットワン・ジャパンのシニアディレクター大橋慶太さまにお話しいただきました。本社主導のグローバルマーケティングにおいて必要な要素と、求められる能力について解説しています。※この記事は、「SHANONBtoBMarketingConference2019」で発表された内容を再編したものです。目次「本社主導のグローバルマーケティング」の定義とはステージ1:全体設計ステージ2:始動と展開ステージ3:継続改善ステージ1〜3で必要な力とは?大手日系製造業によるチャレンジの実例「本社主導のグローバルマーケティング」の定義とは私たちにとっての「本社主導」の定義。それは、プロジェクトの目的や現状、ゴールまでの道筋を、本社だけでなく各国の関係者が把握している状態。そんな本社主導の「売り上げ直結型グローバルマーケティング」を行うにあたり、多岐にわたる要素が必要です。マーケティング戦略の立案や、データベースの構築、コンテンツ制作、CRM、マーケティングオートメーション、ソーシャルメディアマーケティング……。しかし、これらの要素をすべて一緒に進めようとすると、混乱を招きかねません。そこで私たちは、ステージを1〜3に分けて、グローバルマーケティングを進めています。その3つのステージにおいて「誰が何をするのか」「どのような素養が求められているのか」をご紹介します。ステージ1:全体設計ステージ1は、自社単独で行うのが難しい全体設計。「いくらの投資が必要なのか」を見据え、達成可能なマーケティングゴールを導き出すのは、非常に難易度の高いものです。そんな全体設計をクリアするためには、現状把握を目的とした「As-Is」調査の実施と、目標設定を目的とした「To-Be」の具体化が必要。特に、目標設定の「To-Be」を対費用効果も含めて具体化するのは、経験が浅いとなかなかできないでしょう。目標設定については、国と地域によってKPIやターゲットが変わります。自社が市場の中でどのような段階におり、今後何をマーケティングに求めるべきか、も会社によって違います。ステージ2:始動と展開プロジェクト設計の承認がもらえたら、やっとプロジェクトがキックオフ。役割分担などをするステージ2に進みます。ステージ2では、幅広いステークホルダーの合意形成が必要です。なぜなら、B2Bの商材のばあい、実際に商材を販売しているのは営業部や販売パートナーで、マーケティング部だけでは完結しないから。例えば、本国のマーケティング部隊・各国のマーケティング部隊・各国の営業部隊・販売パートナー・現地の支社長など、エグゼクティブも含めて合意形成しなければなりません。「エグゼクティブを含めなくてもよいのでは?」と思うかもしれませんが、のちにトラブルに繋がる恐れがあります。協力が得られなかったり、予算の承認が得られなかったり。スムーズにプロジェクトを進めるためにも、現状と目標のロードマップをしっかりと作りましょう。目的やゴールまで設計し、エグゼクティブをスポンサーに回し、キックオフするのが望ましいといえます。ステージ3:継続改善ステージ3は、継続改善。好調なスタートを切れたとしても、グローバルマーケティングにおいてプラン通りに進むケースは、私が見てきた中ではありません。なぜなら、日本企業は営業部主導な場合が多く、マーケティングの知見を利用していることはまれだから。営業推進部はあっても、マーケティング部がないことも。現地に合わせたマーケティング手法を取ろうとしているとき、マーケの知見が浅い営業部が主導で動くと、経験ゼロからスタートせざるを得ない状況を生み出してしまうのです。ステージ1〜3で必要な力とは?1〜3のステージで必要な素養は、それぞれ違います。では、ステージごとにどのような素養能力が求められているのでしょうか。ステージ1で重要なのは、売上創出型のマーケティングを自分ごととして理解し、自社にとって最適なマーケティングの定義設計をする力。また、目標達成に向け、さまざまなステークホルダーを動かし、社内外を引っ張っていく力も大切です。ステージ2で重要なのは、「グローカル」体制を構築するため、各国の市場や商習慣・規制に対する知識を本社側で持つこと。それにより、「どこまでローカルの人に任せるのか」「どこまでをグローバルで標準化するのか」のさじ加減を調整できるようになります。ステージ3で重要なのは、マーケティングテクノロジー全般に関する、幅広い知識やノウハウ。Webやデジタルマーケティング、マーケティングオートメーションなどが挙げられるでしょう。このように、必要とされる素養は多岐にわたりますが、すべてを押さえるのは難しいでしょう。ステージごとに必ずしも必要になるとは限らないため、外部にアウトソースしたり、海外のグループ会社に頼ったりなどで調達してはいかがでしょうか。大手日系製造業によるチャレンジの実例私たちのお客様、大手日系製造企業3社の実例をご紹介します。1社目の事例。ステージ1の全体設計をして承認をもらう時点で、本社の経営陣には、各国のマーケティングリーダーのコミットを獲得できるリーダー人材がいませんでした。そこで、マーケティングチームで一番声の大きかった、アメリカのマーケティングディレクターに目をつけたのです。マーケティングディレクターの権限と責任を、米国市場からグローバル全体へと拡大。本社に転籍し、プロジェクトを設計しメンバーを選んで推進する、プロジェクトリーダーになってほしいと打診しました。彼をリーダーにアサインしたことで、一番声の大きかった人材の能力と知見をフル活用。上の承認を取りながら、プロジェクトの承認までスムーズにこぎつけ、グローバルでメンバーを引っ張っていきました。2社目の事例。日本で成功していたマーケティングストラテジーのプランが、海外ではなかなか浸透しませんでした。そこで、日本企業のCMOが直接海外の主要国に行き、本社のストラテジーを説明。海外の協力を引き出しながら、ストラテジーを現地に適合させ、成功を収めました。3社目の事例。ステージ3の継続改善時、グローバルのデジタルマーケティングの定着が、当初の予定よりかなり遅れていました。原因は、各国のリソース・コンテンツ量・スキルの違いです。発生した問題に対し、これまでは現地の人をトレーニングしたり、必要コンテンツの作成サポートをしたり、といった対処をしていた同社。しかし、担当者を後方支援するだけでは、なかなかスピーディーに動けません。そこで、アメリカやヨーロッパなどの自走可能なチームにはこれまでと同じスタンスを保ち、中国やインドネシアなどのサポートが必要なチームにはマーケ機能を外部パートナー会社に委託しました。委託後、展示会を企画したり、Webサイトを作ったり、ホワイトペーパーを作ったり、他媒体からリードを買ったり。このように、委託先のマーケティング機能をフル活用することで、これまで以上の成長を成し遂げられました。各国でリソース・スキル・コンテンツ量のバラつきがある企業は、珍しくありません。とはいえ、課題を解決するため、言語やマーケティングにおいて高スキルを持ち合わせた人材を確保するのもかなり難しい。そこで、足りない部分をアウトソースすることで、地域ごとの目標をしっかりと達成していけるのです。グローバルで売り上げを伸ばすことを目標にするなら、マーケティングは必須不可欠。困難にぶつかっても、ステージ1〜3を着実に進めていく意思を持ち、グローバルマーケティングに取り組んでいただけたら、と思います。
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デジタルとアナログ、両方を組み合わせたマーケティングを実践するうえで、重要な要素のひとつが「マーケティング部門と営業部門の連携」です。オンライン・オフライン問わず、適切なタイミングで顧客とのコミュニケーションを実行することが、効果的なマーケティング活動には欠かせません。シャノンの提供する「SHANONMARKETINGPLATFORM(以下、SMP)」は、デジタルとアナログを組み合わせて、効果的なマーケティング活動を実現するためのMAツール。マーケティング部門と営業部門の連携に、大いに活用することができます。シャノンユーザーカンファレンスでは、SMPの基本機能の活用例をお伝えしました。目次SMP6つの活用術リードと担当営業の紐付け顧客のオーガニック通知シングル・サインオン活動履歴の共有顧客興味フラグの活用シャノン名刺営業との連携が「デジタルとアナログの連携」に繋がるSMP6つの活用術今回ご紹介するの活用術は、以下の6つです。1.リードと担当営業の紐付け2.セミナー顧客のオーガニック来訪検知3.シングル・サインオン4.活動履歴の商談への活用5.顧客興味フラグ管理6.シャノン名刺リードと担当営業の紐付けまずはじめに紹介するのは、リードと担当営業との紐付けです。問い合わせがあった顧客に担当営業を割り振り、成約までのフォローを行うのはBtoBのビジネスでは鉄則。しかしすべての顧客に、その都度、漏れなく営業担当を割り振るのは、意外と難しいのも事実です。そこでSMPは、2つのソリューションを提供します。ますひとつめが、CRM連携です。わたしたちの提供する、「シャノンコネクト」を活用すれば、eセールスマーネジャー、kintone、Salesforceと標準で連携できます。2つめはデータクレンジングです。こちらはで、1000万のリードを超えるクレンジングに活用されている機能です。以下では、そのデータクレンジングについて、詳しくご説明します。会社名や個人名の表記統一など、リードのデータクレンジング作業は営業担当を振り分ける前の必須作業といえるでしょう。SMPなら、半角や全角を直したり、「(株)」の表記のカッコを外すなどの表記揺れの統一を、効率的に行うことができます。データのクレンジング機能は、法人略称の統一など基本的なデータ補正に加えて、企業独自の辞書をCSVで登録することが可能です。例えば営業マンの担当メールアドレスを辞書として設定すれば、顧客がWebサイトにアクセスがあったら担当営業に通知するというようなプロセスを自動化できます。次の章で詳しくみていきましょう。顧客のオーガニック通知次に紹介する活用術は、顧客がWebサイトに流入した際の自動通知です。BtoBでは購買プロセスが長期にわたります。セミナーで情報収集をしていた顧客が、事業のフェーズが変化した数年後のタイミングでWebに来訪している、というようなこともあるのです。こうしたユーザーは、セミナー参加時には何らかの理由で購入に至らなかったが、いまは購入を検討している、ということも少なくありません。顧客のWebアクセスは2種類あります。ひとつはメールの開封・クリックというように企業の情報発信に反応するプッシュ型のWebアクセス。もうひとつは、顧客が自発的にWebにアクセスしてくれるプル型のWebアクセス。プル型のWebアクセスは、クライアント企業内で購買フェーズの変化によって起きていると考えられます。そのタイミングでフォローすることが大事。しかし、その顧客に対する営業担当者が社内の誰なのかを整備するのは意外とむずかしいものです。SMPのクレンジングを使えば、担当営業情報が自動的にメンテナンスされているので、プル型のアクセスをスムーズにフォローできます。シングル・サインオン次に紹介するのが「シングル・サインオン」です。個人情報が入るマーケティングシステムでは退職時の手続きなどのID管理が欠かせません。しかしクラウド化が進むにつれて、ID管理に頭を悩ませている企業も多いのではないでしょうか。この問題を解決するのがシングル・サインオンです。SMPのシングル・サインオンを活用すれば、GSuiteなどSAML連携に対応しているサービスとシームレスなID連携が可能になります。SMPに蓄積されたマーケティングリードの情報を見るために、都度IDとPASSを入力せずとも企業のID基盤を使ってログインができます。活動履歴の共有4つめに紹介する活用術は、活動履歴の共有です。マーケティング部がどのような施策を実施し、顧客はどのようなアクションを起こしたのか、それらを営業担当者に共有することは非常に重要です。現在、マーケティングリードに対しての活動履歴は、230万以上の情報が履歴型で残されており、多くの企業様にご活用いただいています。実際、SMPをご利用いただいている企業には、インサイドセールスの方などが自らデータを確認、記録する際などに活用するケースが多く見られます。活動履歴は自由に作成したり更新することができるため、顧客が現在どのようなステータスなのか、自由に登録することができます。登録された活動履歴は、その後のマーケティング施策の立案に役立ちます。顧客興味フラグの活用メールマーケティングを実施するうえで、顧客の興味関心に最適化させたクリエイティブ作成は非常に重要です。コンバージョンのためにむやみにメールを配信しても、ノイズになりオプトアウトに繋がる可能性があるだけでなく、ターゲットが広ければ広いほど、文面も抽象的になり、効果が薄れてしまいます。SMPのシナリオ機能を活用すれば、顧客の興味フラグを管理することが可能です。顧客がどの商材に興味があるのかを、顧客がアクセスしているWebページや、クリック履歴などを活用して、算出します。例えばマーケティングオートメーションのページにアクセスシている人には、「MA興味フラグ」をたて、イベントページに来ているひとは「イベントに興味フラグ」を立てるというような、自動化を設計すれば、フラグごとの顧客に最適なメッセージを届けることが可能になる。たとえば、「マーケティングオートメーションに関心がある人」や「イベントに関心がある人」などのセグメントを作成して、ターゲットを絞ることができます。シャノン名刺最後に紹介するのは、名刺管理サービスシャノン名刺の活用です。一般的な営業マンは、年間200枚の名刺を交換していて、うち70%はマーケティングリード。これらを使わない手はありません。シャノン名刺は、名刺の管理を効率化するだけでなく、それらをリードとして活用することを可能にします。また、IOSとアンドロイドのモバイルアプリも提供しているため営業マンがモバイルアプリで名刺を撮影すればそれがマーケティングリードとして登録されます。さらに、顧客のアクセスやマーケティングの活動履歴も確認することができるため、顧客のステータス管理ができ、効率的なフォローの実現に繋がります。営業との連携が「デジタルとアナログの連携」に繋がるマーケティング部門と営業部門を連携させるのに役立つ、SMPの活用術をここまで紹介してきました。獲得したリードをいかに売上に繋げるか、そして、リードを増やすという点においても、両者の連携はマストといっても良いでしょう。これはまた、冒頭で述べた「デジタルとアナログの連携」を実現することにも繋がります。マーケティングと営業の垣根を取り払うことは、デジタルとアナログの垣根を取り払うことになるのです。わたしたちシャノンのSMPは、そういった皆さまの取組みを全力でサポートしていきます。是非、この機会にご利用ください。
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2000年に創業したシャノンは、お客様のマーケティングの成果を向上していただくために、製品機能や、サポート体制のアップデートを日頃推進しています。今日は、日頃ご愛顧いただいているお客様に向け、シャノンのこれまで、そしてこれからのことを、お伝えします。※この記事は、「シャノンユーザーカンファレンス2018」で発表された内容を再編したものです。目次シャノンが一年間で行った取り組み1.日本のマーケティングに必要な機能を強化データクレンジング機能をリリースシナリオ機能のアップデートを実施2.サポートメニュー・トレーニング・ユーザー会の充実サポート体制の強化3.パートナー様と連携した価値提供『シャノン名刺』をリリースコンセプトは、商談が増える名刺管理サービス名刺を金額換算してみる『商談が増える』を実現しますシャノンが一年間で行った取り組み1.日本のマーケティングに必要な機能を強化グローバルベンダーと国内発の企業の違いは、日本の企業が求める機能やサービスを積極的に取り入れていくという点。この1年の間にも、シャノンが提供する「SHANONMARKETINGPLATFORM(以下、SMP)」に、新たに2つの機能のリリース・アップデートが完了しています。データクレンジング機能をリリースデータレンジング機能は、フォームに入力されたざまざまなデータを整理して並べたり、置換したりする機能です。エラーチェッカーではできなかった全角・半角の統一や、法人略称の統一などを実現。文字列データを”使える情報”として望ましい形に簡単に変換します。また、登録したデータとシャノンが保持している役職名称の「辞書」をマッチングさせて、自動的に役職ランクが付与されます。これにより、「マネジャー以上にはメールに加えてDMでも情報を伝える」といったようなシナリオの構築が可能になります。「辞書」は、企業独自のものをCSVで登録できます。この機能を利用して企業に対する担当営業情報を登録しておけば、社内の担当者の割り出しができます。例えば、資料請求をしたお客様情報を整理するシーンにいいて、「この方は既存のお客様である」「営業のAさんのお客様だ」といったように、どんなルートで流入したのかをすぐに把握。スピーディーなフォローアップに繋がります。シナリオ機能のアップデートを実施SMPのメインコンテンツであるシナリオ機能を大幅に改善しています。ドラッグ&ドロップの直感的な操作性はそのままに、より一層、デジタルとアナログを組み合わせたシナリオの構築がしやすくなっています。一番のメリットは、全体像がわかりやすく、成果を確認しやすいことです。シナリオが複雑になるほど、うまくいっている部分とそうでない部分がわかりにくくなります。どこがボトルネックになっているのかを視覚的に確認できるインターフェイスを構築しました。2.サポートメニュー・トレーニング・ユーザー会の充実シャノンでは、サポート体制の強化やユーザー会の充実を推進しています。サポート体制の強化電話とメールでのサポートを中心に、シャノンはさまざまな分野でユーザーのみなさまをサポートしています。近年注力しているのは、電話対応窓口の強化です。ツールを導入するとき、メールでのお問い合わせだけでは不足する時がありますよね。シャノンでは、無償の電話サポートを実施しています。その他、テクニカルサポートによる技術支援と課題解消、カスタマーエンゲージメントマネージャーによる活用支援提案、日本語サポートサイトでの各種資料提供、FAQ検索機能の改善、ユーザーカンファレンスの定期開催、ユーザー同士の相互交流を実現するユーザーグループ支援、無償のハンズオントレーニングなど、さまざまなサポートを実施しています。3.パートナー様と連携した価値提供この1年で、新たに3つのパートナー企業様と、連携を開始しました。「eセールスマネージャー」「kintone」「zendesk」の3社がが加わり、シャノンのサポートはさらに充実してきています。これらのパートナー様は、リセール、リファラルなどの導入シーンにおいてご活用ください。『シャノン名刺』をリリースコンセプトは、商談が増える名刺管理サービス新しくリリースした「シャノン名刺」では、名刺を集めやすること、そして商談に繋がるリードを生み出すという点にフォーカス。モバイル連携もできるようになりました。シャノンが独自に行った調査では、一人の営業マンが年間で交換する名刺の枚数はおよそ200枚であるとわかりました。このうち70%にあたる名刺140枚ぶんは、長期間かけてフォローしていくべきマーケティングリードです。10%はすぐに買う検討をしてくれる人で、20%は全く興味を持たない人。残りの70%は、少しだけ興味を持ってくれている人で、1年〜1年半以内に購入してくれる可能性が高いと考えられます。シャノンの新サービスでは、その70%をフォローできます。名刺を金額換算してみる名刺を上手に活用すれば、多大なマーケティイング予算の節約になります。たとえば、営業5名の一年間の働きを金額換算すると、年間3,500,000円ぶんの価値があります。算出方法:BtoBでリードを獲得する際のCPA:およそ5000円〜10000円5(名)×200(枚)=1000(枚)1000(枚)×0.7(割)×5000(円)=350万(円)名刺の管理ができていないマーケティングチームは、350万円ぶんのリードを活用できていないと言っても過言ではありません。名刺管理のサービスを展開している会社は他にもありますが、営業の数が多ければ多いほど、金額的に足踏みをしてしまうお客様が多いようです。シャノンはみなさまのご期待に応えるため、当該サービスを他社の50%程度の値段で提供します。『商談が増える』を実現します「シャノン名刺」を導入することで、眠っていたリードを再発見できます。営業部が持っている何千枚もの名刺をデータ化し、リード顧客として対峙しましょう。また、過去の名刺を遡ることでロストフォローも実現できます。営業の受注確率は平均20%くらいだと言われています。残りの80%が受注しない理由は様々ですが、予算が足りなかったり、タイミングが悪かったりなど、再フォローによって獲得できる理由で失注している場合も多くあるのです。名刺にひもづく接触機会の記録を残していくことで、結果的に「いま欲しい、買いたい」と思っているホットな人にアプローチができ、商談が増えていきます。デジタルとアナログを組み合わせた顧客フォローについて知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
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先の記事でもご紹介したとおり、2017年2月2日に開催した「シャノンユーザーカンファレンス2017」の模様を、ギュッと動画に詰め込みました。「シャノンユーザーカンファレンス2017」の詳細については、下記の記事をご確認ください。関連リンク「シャノンユーザカンファレンス2017」を開催しました
https://www.shanon.co.jp/blog/entry/shanon-user-conference-2017-mov/ -
目次シャノン初のユーザー様向けイベントを実施第1部 ご挨拶・事業戦略について全てはユーザーの皆様の成果のために 株式会社シャノン代表取締役社長 中村健一郎第2部 新機能発表・パートナー制度・事例についてユーザー様の成功事例のご紹介株式会社シャノン 取締役事業担当 東野誠株式会社インテリジェンスi-commoncompany事業推進グループ川田崇正様SCSK株式会社流通システム事業部門事業推進グループ本多 勝昭様株式会社アドバンテッジリスクマネジメント事業企画部部長補佐小泉 剛様第3部 製品ロードマップについてゴール機能のデモンストレーションと製品ロードマップについて 株式会社シャノン 取締役技術担当 堀譲治シャノン初のユーザー様向けイベントを実施2017年2月2日(木)、御茶ノ水ソラシティ(東京都千代田区)にて、「シャノンユーザカンファレンス2017」を開催しました。シャノンとしては初めてとなるユーザー様向けイベントでしたが、多くの方々にご来場いただき、定員200名の会場は満席となりました。このイベントは、シャノンの主力製品である「シャノンマーケティングプラットフォーム」(SMP)のユーザーの皆様に、事業や今後の取り組みについて知っていただき、ユーザーの皆様と直接コミュニケーションすることで、これからもユーザーの皆様と共に歩んでいく決意を新たにするべく開催したものです。イベント前半の第一部では、シャノンのこれまでの歩みから現在の事業環境、SMPの新機能の概要、新たなサービスやパートナーシップ制度などをご説明いたしました。イベント後半の第二部は、日頃の感謝の気持ちを込め、ささやかながらお食事をご用意し、シャノンの社員や同じユーザー様同士で親睦を深めていただける懇親会を実施しました。第1部 ご挨拶・事業戦略について全てはユーザーの皆様の成果のために 株式会社シャノン代表取締役社長 中村健一郎イベント第一部の冒頭では、代表取締役社長の中村がご挨拶。ユーザーの皆様へ日頃のご支援について感謝の言葉を述べるとともに、シャノンの沿革や事業概要、業績推移、市場環境などについてご説明しました。また、2017年1月27日に東証マザーズに無事上場を果たしたことに加え、事業に対するシャノンとしての考え方や、今後に向けての新たな取り組みのいくつかも披露させていただきました。その新しい取り組みの1つが、「SHANONSocialSupportProgram(仮)」。特別ライセンスでサービスを提供し、医療、貧困、教育、環境などさまざまな社会問題に取り組むNPOの活動を支援するものです。これはシャノンの社会貢献の1つとして推進していくCSR活動の一環であり、代表である中村が個人的に実現したいと大学在学中から温めていたアイデアでもあります。2016年11月に発表した「SHANONCONNECT」についても中村から解説がありました。このSHANONCONNECTは、CRM/SFAやDMP・広告ツールなど国内外の先進的なマーケティングツールと連携することで、より複雑かつ分断されたマーケティング活動、マーケティングデータを統合することを可能にします。また、2017年2月1日から提供を開始した、成果の見える化を実現する「ゴール」機能の概要もご紹介しました。昨今のマーケティングを取り巻く環境の変化は目まぐるしく、さらに加速化しつつあります。しかし、本当に大事なのは自社のマーケティング課題を解決することです。「ゴール機能」は、組織の階層ごとに異なるマーケティング認識や、細分化されすぎて成果とのつながりが見えにくいマーケティングデータ分析を解決するための機能であることをご紹介しました。最後に、国内のマーケティング活動に必要な機能の追加・強化、ユーザーの皆様をサポートするトレーニングやユーザー会の開催、パートナーの方々との新しい関係の構築、人工知能等のテクノロジーの活用といった今後の取り組み内容を示しました。そして、シャノンが「テクノロジーとサイエンスで企業のマーケティングの課題を解決する」ことをミッションに、ユーザーの皆様の課題解決に一層強く取り組んでいくことをお約束し、締め括らせていただきました。第2部 新機能発表・パートナー制度・事例についてユーザー様の成功事例のご紹介株式会社シャノン 取締役事業担当 東野誠次に登壇した取締役事業担当の東野がご紹介したのは、SMPの比較的新しい機能について。流入元の広告を分析して正確な広告効果測定が行える機能、Webにアクセスしてくる企業単位の行動分析の機能、他社サービスをつなぐ役割を果たすSHANONCONNECTなどです。従来の「セールスパートナー」に加えて、SMPと連携するサービスを提供する「コネクトパートナー」、SMPの導入に関するコンサルテーションなどを手がける「導入コンサルティングパートナー」の新設も発表しました。さらに、SMPをビジネスに用いて特に成果を上げている企業のうち3社の担当者を壇上に招き、SMPの活用方法や具体的な成果について各社それぞれに披露していただきました。株式会社インテリジェンスi-commoncompany事業推進グループ川田崇正様総合人材サービス株式会社インテリジェンスの社内カンパニーであるi-commoncompany様。企業の経営課題を顧問の活用によって解決する顧問サービスを手掛ける同社は、それぞれの集客を強化するためSMPを導入しました。どの企業がWebサイトを閲覧したのかという流入履歴を明らかにすることで、見込み顧客の関心を探りやすくなり、獲得アポイントメント数の増加や、ターゲティングリストの作成に貢献しています。さらにリスティング広告の費用配分の最適化も果たしたと言います。SCSK株式会社流通システム事業部門事業推進グループ本多 勝昭様幅広いビジネス分野に対応するITサービスを提供しているSCSK株式会社様は、SMPをリードナーチャリングに活用しています。導入前までは見込み顧客に対する効果的な情報提供が十分とは言えず、しかも案件として獲得できるまでに長期間を要していたなど、効率的な営業活動が行えていませんでした。しかしSMPの導入により、さまざまなルートで収集した見込み顧客の情報を一元化し、Web上での行動履歴を元に顧客にとって関心の高そうなコンテンツが配信可能になりました。スコアリングしてアプローチの優先順位を決めるというルール化も合わせて実施することで、結果的に受注案件数はそれまでの3.6倍にまで増加したとのことです。株式会社アドバンテッジリスクマネジメント事業企画部部長補佐小泉 剛様企業に対して従業員のメンタルヘルスに関わるサポート事業を行っている株式会社アドバンテッジリスクマネジメント様。営業担当の社員個人に依存した営業活動からの脱却を図るべく、見込み顧客の情報収集とアポイントメントをマーケティング活動の一環としてオートメーション化するためSMPを活用し始めました。SMPの導入後は、アポイントメント獲得の情報共有がスムーズになるとともに、目標の2倍近くのアポイントメントを獲得し、2015年からの1年半で契約社数が1200件に到達したとのことです。第3部 製品ロードマップについてゴール機能のデモンストレーションと製品ロードマップについて 株式会社シャノン 取締役技術担当 堀譲治第一部の最後は、取締役技術担当の堀が、SMPの新しい機能や取り組みをご説明。「ゴール」機能をはじめとする一連の機能のデモンストレーションを披露しました。まず、トラッキング機能とダッシュボード機能の拡充、SMPのOpenAPI化による外部ツール作成への対応など、最近の細かなアップデート内容をご紹介。拡大し続けるSMPの品質を担保するために、3時間で100時間分の自動テストを並列実行し、確実なアップデートを実現するシステムも解説しました。2017年2月1日には、SHANONCONNECTにおいてCRM/SFA連携が可能になったことに加え、「ゴール機能」が追加されました。これまでSMPは、マーケティングデータの統合管理と見える化を実現してきましたが、その一方で「マーケティング活動の成果が見えない」という大きな課題があったのも事実です。ゴール機能は、組織感によって分断しているマーケティングを繋ぐことを目的に実装されたものです。マーケティングの成果を向上させるためには、ビジネスのゴールを描くゴールと現状とのギャップを知る課題の優先度を整理する課題解決施策とKPIを設定する実行リアルタイムにKPIを測定して改善するというように、きちんとビジネスのゴールを描いてから、それを実行に落としていく「ゴールドリブン」な課題解決アプローチが必要になります。これらをサポートする機能がこの「ゴール機能」です。デモンストレーションでは、このゴール機能の使い方の一例として、予実管理、目標未達の際のリカバリープランの策定など、一連の流れを実際の画面でご覧いただきました。後半では、2017年上期と下期、そして2018年以降のSMPのロードマップもご提示しました。シャノンは、「データクオリティが今後のマーケティング成果を左右する」と考えており、それに対する活動を今後積極的に行っていくことを宣言。例えば、データベース内の表記揺れなどを自動変換してデータの精度を高める「自動クレンジング」機能、企業単位でマーケティングデータを管理する機能、個人情報保護へのさらなる取り組みなどです。近い将来には人工知能を活用することで「マーケティングの次の一手」を提案するサービスへと進化する、としました。ユーザーカンファレンスを開催することで、ユーザーの直接お会いして、多くの意見交換、叱咤激励をいただくことができました。シャノンはユーザーの皆様とのつながりを大事にしながら、常に変わり続ける市場のなかでマーケティングにおける皆様の課題解決をテクノロジーとサイエンスで解決していく所存でございます。
https://www.shanon.co.jp/blog/entry/shanon-user-conference-2017/